No.36 姑獲鳥〈うぶめ〉の夏 丸の内TOEI(2)

doradora05112005-08-03

1.★★★☆☆←客観的な目で見た評価
2.★★★★☆←思い入れを含んだ評価
原作を読んでいるので楽しみ半分、駄目なんじゃないの?半分で見に行きました。
http://www.ubume.net/
以下ネタバレ
映像は良かったと思います。実相寺昭雄テイストが出ていた。巷の評価がイマイチなのは仕方がない。原作の世界を2時間強で描ききる事は元々不可能。破綻なく物語を進めていったのは見事。
戦後すぐの昭和の街並みはその時代に居るかのように思わせた。
ただ、原作を読まずに映画を見た人は何が起こったのか理解できたんだろうか?
この話は久遠寺家の母の話であり、極論すればHow、Whoは関係無いのです。そもそも犯罪が起こっていたのでしょうか?特殊能力を持つ榎木津探偵でなくても部屋をちゃんと調べれば分かるんですから。物語をややこしくしているのは全て関口巽のせいで、これは京極堂が重い腰を上げるためのきっかけであり、起こった出来事自体は単純です。原作では肉付けが膨大なので中々捉えにくいのですが、映画では時間がない分、重要な点だけクローズアップしたため分かりやすくなってました。そういう意味では映画→原作と言う進み方もいいかもしれません。尤も、この映画を原作を読まずに見に来る人はあまり居ないような気がしますけど。
役者については思い入れがある人が多いのでどの役に関しても賛否両論でしょう。私は主要人物以外の登場人物。内藤役に松尾スズキさんが出ていたので嬉しかったです。
最後に京極堂鬼子母神について話すくだりが印象的でした。
人の子供をさらって食べてしまう鬼子母神。その子供を仏が隠してしまった。悲しむ鬼子母神。仏が人の愛を説いた。と言われているが、仏は愛は説かない。何故なら愛は執着。執着を解き放ち解脱するのが仏教の本懐。仏は子供への愛を捨てろと鬼子母神に言いたかった。
こんな内容でした。原作にあったかな?