三月の5日間 チェルフィッチュ NHK BS2

来週末観に行く「エンジョイ」の前にテレビで放送されたので見ました。休憩までだけど。
以下ネタバレ
最初は、作・演出の岡田利規さんと司会の二人の対談、インタビュー。印象は、私の中にある演劇人とは少し違った感じ。年齢的にはほぼ同世代だと思う。周りにいそうだけど、私の周りにはいないタイプ。最初は言葉少なかったが、後半は凄くしゃべっていた。一つの事を説明するのに、あっちゃ、こっちゃ、行ってしまい、ちゃんと聞いてないとよく分からない。この、インタビューの後、芝居を見るのだが、その芝居の印象と岡田さんの印象がピッタリだった。そして、このインタビューを見ないで、芝居を見ていたら、恐らく拒否反応をしめしていたと思う。
芝居の話。ストーリはいつも通り割愛。でも、わざわざストーリーを書く必要は無い芝居。と言うか、芝居なんだろうか?芝居って何?演劇って何?と考えてしまうような作品。作品って言葉が一番しっくり来るかも。照明が点いたままの舞台に、ふらふらと男性が二人歩いてくる。そのうちの一人が、何か話し出す。彼の話ではなく、友達から聞いた話。それももう一人に話し掛けているというより、観客に話しかけている感じ。取り立てて劇的な話があるわけでも、悲劇があるわけでも喜劇があるわけでもない。舞台上にいる(登場人物っていうより、ただそこにいる人って感じ)人が、何かをしゃべっている。それが続く。舞台にぐいぐい引き込まれるような感覚は無く、友達の話を「ふ〜ん、そうなんだぁ〜」と聞いている気分。じゃあ、面白くないのか?いえ、私は面白く感じた。基本的な手法を受け入れられれば、後はその中にいればいい。見る側としては楽な芝居だと思った。勿論、ただダラダラしているのではなく、「三月の5日間」のタイトルの意味、イラク戦争開始からの5日間。でも、それを軸に語られる訳ではないので、見えにくいんだけど。直接的に戦争について取り上げるより。こういう手法を採る方が伝わりやすいと考えたんでしょう。だって、その部分がないと単なる若者のダベリになってしまう。
一つだけはっきりと分かったのは、宮沢章夫さんが注目した事。好きそう。今度見る「エンジョイ」が楽しみです。