石室開封・飛鳥の壁画修復に挑む NHKスペシャル

キトラ古墳の壁画修復&保存作業に2年間密着。こう言う内容はやはりNHKが一番だと思う。
日本では出土した状態で保存するのが慣例だそうです。高松塚古墳の壁画は今も石室とともに古墳の中にあります。キトラ古墳の壁画は漆喰が壁から剥がれ落ちそうなため、やむを得ず壁から剥がして外に出す事になりました。そのドキュメントでした。
最初は石室の内部に入るところから始まります。単純に入る訳ではなく、先ずは古墳の周りに家を建てて、更に石室の周りを壁で囲い、石室内部の状態を保ったまま中に入れるように環境を制御できるようにしてました。これは石室の内部が密閉されていて、急に外気に触れると壁画が破損する恐れがあるからだそうです。クリーンルームまで作ってました。
研究者の一人が「我々にはこの壁画を保存して後世へ残す責任がある」と言ってました。
それが関係者のモチベーション。
かつて盗掘にあったため、キトラ古墳の石室は一部破損してます。40cm四方の穴が開いてます。これを通って内部に入る。内部は1mx2mx1m程の空間。四方に四神が描かれ天井に天体図(これは世界最古だそうです)が描かれてます。最初にテレビカメラを入れ内部状況の把握。石室の模型を作り内部でどれぐらい動けるか確認。そして作業者を選定。選ばれたのは絵画の修復等をしている女性。
シュミレーションを重ねていよいよ石室内部へ。入ってみて分かったのは青龍と白虎の漆喰が今にも壁から離れそうになっている事。会議が開かれる。そのまま保存するか剥がして外部へ出すか?そんな中、大変な事が。カビ発生!
あれだけ注意したにもかかわらず発生。高松塚古墳でも問題になっているそうです。チョッとした環境の変化でもカビは発生るとの事。逆言えば今までこの状態で残っていた事が奇跡的。
会議の結果、外部へ運び出す事に決定。
先ずは青龍から。ひびの入っている線に沿って剥がす事に。湿度100%の石室内部での作業。かなりの緊張感。私だったら絶対に途中で投げ出すね。
そして剥離と搬出が完了。ホッと一息もまたまたカビ問題。もはや応急処置ではどうにもならない。早急な対処が必要。次は白虎。
青龍と違って白虎はひびが壁画を分けてしまっている。尚且つ、分かれている一方は漆喰が壁にしっかり付いてしまっている。どうする。
苦渋の決断。剥がれている方だけ外部へ出す。作業に入るとまたもや問題発生。剥がれていると思った漆喰が未だ剥がれていない個所があった。
このままだと大変な事に。ええいままよとばかりに強行作業。5時間にも及ぶ作業の結果。壁画を損なわずに外部へ搬出。
映像はここまで。また2年後ぐらいに続きの放送がありそう。最後に中嶋みゆきの歌は流れず。