完読No.8 みんなジャイアンツを愛していた 海老沢泰久著 文春文庫

プロ野球問題が顕在化した昨年。本書は昭和53年〜昭和57年に書かれたものをまとめたもの。
川上監督、広岡監督、長島監督etc.著者も含めてジャイアンツを愛していた人々の話。川上監督が辞めて長島監督が誕生した時点でジャイアンツは駄目な球団になっていたんだ、と思いました。
私は阪神ファンなので第三者として本書を読めました。
面白いエピソードが書かれていたので抜粋します。
「長島は何かを食べるとき、ぼくらには理解できない独特の食べ方をするという。たとえば、カキ氷は、山になっている氷の部分を最初に手で払ってしまって、蜜と混じったところだけを食べる。スイカは種をとらずにそのままかじりついて、水分だけを口に含み、実と種を一緒に吐き出す。焼き魚は半身だけ食べて、裏がえしたりはけっしてしない。どうしてこういう人間が・・・」
前後を読まないと印象が違うかもしれないが、決して笑えるエピソードとして紹介されている訳ではない。かといって批判的な意味で書いているのでもない。長島という稀有な存在を浮き上がらせるために紹介されている。