WOWOWエキサイトマッチ 7/18放送分

doradora05112005-07-20

<4団体統一世界ミドル級タイトルマッチ>
バーナード・ホプキンス VS ジャーメイン・テイラー
以下、勝敗を書いてます。知りたくない方はこれ以上読まないで下さい。

V21か、それとも世代交代か
波瀾の可能性も含む挑戦者の右

95年にIBFタイトルを獲得してから10年、ホプキンスはミドル級史のみならずボクシング史に残る幾多の記録を樹立してきた。アーチー・ムーア、ジョージ・フォアマンに続く40代での防衛、史上5位のV20、初の4団体統一、10年超の在位・・・。
長身を利した懐の深いボクシングをベースに、ときにはラフファイト、ときには狡猾なまでの試合運びをみせ、のべ20人の挑戦者たちを一蹴し続けてきた。フェリックス・トリニダードオスカー・デラ・ホーヤといった下のクラスからの侵略者たちのチャレンジも余裕をもって退けてきた。その牙城が40歳を迎えたいまも揺ぎないものであることは、先のハワード・イーストマンとの防衛戦でも証明済みだ。
しかし、その堅城に小さなヒビが入ってきているのも否めない。以前よりも深追いをせず、はるかに慎重な試合運びをみせるようになったのは、やはり肉体的な衰えを自覚しているからだろう。引退の時期を模索し始めた点も気になるところだ。 40歳のチャンピオンが突然の崩壊を見せたとしても、本来はなんら不思議はないのである。
今回のカードにはその可能性がある。挑戦者のテイラーはホプキンスと同じ体格の持ち主で、14歳も若いストレート・パンチャーだ。シドニー・オリンピックの銅メダルを引っ下げてプロ入りしてから23戦全勝17KOと、レコードも完璧だ。ここ1年は世界ランカーや元チャンピオンたちを相手に圧勝しており、確実に実力を上げている。戦いぶりは左ジャブで煽っておいて距離とタイミングを合わせた右ストレートで仕留めるという正攻法だが、ホプキンスが失いつつあるスピードと勢いがある。チャンピオンが挑戦者の速さ、パワーに押されるか、あるいは警戒しすぎて後手に回るケースも十分考えられるのである。
ただし、予想となると攻防の幅、経験、テクニックなど総合力で勝るホプキンス有利は動かない。赤子の手をひねるようにあっさりとホープを屠ってしまう可能性すら十分ある。が、序盤でテイラーに主導権を渡してしまうと苦戦は免れないだろう。ホプキンスが追いかけるような展開になると試合はエキサイティングなものになるはずだ。

外見がよく似ている&トランクスも似ていた、ので、どちらがどちらか分かりにくい。試合内容は、ジャーメイン・テイラーが前半、中盤とコツコツ当てにきていた。でも、完全に入り込めない。これはバーナード・ホプキンスの圧力が凄いから。見た目も怖いしね。一方、バーナード・ホプキンスは前半、中盤と殆ど手を出さない。怪我しているの?と思いたくなるほど手数が少ない。
そして終盤3R。漸くバーナード・ホプキンスが動いた。ジャーメイン・テイラーは圧力に屈して腰が引けていた。実力の差は歴然。ジャーメイン・テイラーは、バーナード・ホプキンスには及ばない。
しかし、ボクシングの採点は時としてこういう結果を出す。2対1でジャーメイン・テイラーの勝利。すっかり勝った気でいたバーナード・ホプキンスは唖然としていた。これで全てを失った。連続防衛記録も4本のチャンピオンベルトも。
敗因はバーナード・ホプキンス陣営の読みの甘さ。採点ミス。ジャーメイン・テイラーは若さもあってパンチ力もあり侮れない相手だけど力を温存しすぎた。あと1R攻めていたら勝っていた。
採点は116対112(ホプキンス)、115対113(テイラー)、115対113(テイラー)。たった3分の差で栄光を失ってしまったチャンピオン。
試合には関係無いけど、試合終了後リングにR.ウォレスが上がってきた。ホプキンス陣営の方。でも、ピストンズのユニフォームを着ていた。チラッとしか映っていないので別人かもしれない。本人だったら変。