No.18 立喰師列伝 京成ローザ イースト

doradora05112006-04-08

1.★★☆☆☆←客観的な目で見た評価
2.★★★★☆←思い入れを含んだ評価
http://www.tachiguishi.com/top.html
原作・脚本・監督:押井守
以下ネタバレ
個人的にこの春、いや今年一番の注目映画でした。ワクワクしながら見に行きました。
見終わった後に、やっちゃったな押井さん、そう思った映画でした。悪い意味で。
だって、この映画、絶対にあたらないよ。押井さんのファンは見に行くだろうけど、そうじゃない人は見に行かないよ。それに見た人がこの映画を他の人に勧めないよ。そういう訳で、DVDが出て押井さんのファンが買って、トントンぐらいかな?
映像は凄いです。誰にもこんな映像は作れない、と言うより誰も作ろうと思わない。アニメじゃない。ある映像をデジタル加工する。その加工が凄い。が、その割には何だか無駄な努力のような気がしてならない。ファンである私がそう思うんだから興味の無い人には尚更そう思うでしょう。
そして話の内容。タイトルにもあるように「立喰師」の事を書いてます。しかも「列伝」ですから、何人かの「立喰師」の話です。「立喰師」自体は殆ど話しません。膨大な量のナレーションが入ります。もやは、頭の中で追って行けません。本でじっくり読む、そう言う量です。前半少し寝てしまいましたが、寝た事で損なわれる事は無いと思います。全部起きて見ても100%は理解できなかったでしょうから。確かに戦後日本の浮き沈みを「立喰い」文化に乗せて表現した一面はあるでしょうが、なにもここまでやらなくてもって感じでした。
この映画は押井守監督が自分がやりたかった事を全部やった映画です。自分が見たい映像、自分が言いたかった内容、自分が見たかった映画です。なので、商業ベースに乗せなくてもいいのではないかと思いました。押井さんが自宅で一人で見る映画だと思いました。
そうそう音楽は良かったです。映画の雰囲気を吹っ飛ばすぐらいカッコいい音楽でした。サントラを欲しいぐらい。これだけ悪く言いながらも星が4つなのは、押井守監督のファンだからです。ファンは見に行きくべき。そして・・・・。