完読No.66 紀文大尽舞 米村 圭伍 著 新潮文庫


裏表紙

北のお江戸で女だてらに戯作者を志すお夢が追うのは、紀伊国屋文左衛門。蜜柑船で一夜にして財をなした豪商の一代記を書くためだ。ところが紀文(紀伊国屋文左衛門の事)は逃げ回り、お夢は命を狙われる。華やかな立志伝に隠された秘密とは何か。ついに大奥に潜入したお夢が遭遇する、将軍継承を巡る大陰謀とは。紀文と八代将軍吉宗の意外な接点。お夢の推理が冴えまくる痛快無比の大江戸歴史ミステリー。

以下ネタバレ
思っていた以上に面白い作品でした。主人公のお夢以下、登場人物が生き生きと描かれています。読んでいるとお夢と一緒に紀文の謎を追っかけている気分になります。最初はタイトルにもなっているように紀文の謎を暴く話かと思っていると、実はそこに隠れていたのはもっと巨大な陰謀でした。その陰謀を仕組んだのは?謎の先にまだ謎があり、ページをめくるのがもどかしい。そんな本でした。小説って面白い。きっと、江戸時代に人はこういう本を読んで楽しんでいたんでしょう。
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