完読No.16 影踏み 横山秀夫 著 祥伝社文庫


裏表紙

深夜の稲村家。女は夫に火を放とうとしている。忍び込みのプロ・真壁修一は侵入した夫婦の寝室で殺意を感じたー。直後に逮捕された真壁は、二年後、刑務所を出所してすぐ、稲村家の秘密を調べ始めた。だが、夫婦は離婚、事件は何も起こっていなかった。思い過ごしだったのか?母に焼き殺された弟の無念を重ね、真壁は女の行方を執拗に追った・・・。

以下ネタバレ。
警察を描いた短編小説で確固たる地位を確立した横山秀夫氏。今度は忍び込みのプロを主人公に。
連作短編です。非常に面白いです。双子の弟と両親を火事で亡くした過去を持つ。その時から中耳に弟がいる。弟の絶対記憶を武器に謎を解く。謎と言っても探偵ではないので、その謎は常に自分に降りかかってきたもの。そして、全体を通しての最大の謎は・・・・。ほんとにこの人の本は面白い。行き帰りと昼休みで読んでしまった。勿体無いからゆっくり読もうとも思うのだが、ついつい読み切ってしまう。ここまでで本年度ミステリー部門No.1です。