完読No.21 赤朽葉家の伝説 桜庭 一樹 著 東京創元社


裏表紙

祖母。母。わたし。だんだんの世界の女たち。
鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く製鉄一族の姿を描き上げた渾身の雄編
少女には向かない職業』の俊英、ついに本領発揮!

気づけばふわりと柔らかな、上質な布団の上に落下した。布団は万葉のからだを飲み込むように激しくくぼみ、おまえはもうこの家のものだと言い聞かせるように血の色に燃えて包みこんだ。−祖母、赤朽葉万葉
言わせておけばいいさ。おじさん、わたしたちがあの子を好きだったら、それでいい。人の噂は七十五日だ。だけど、好きは、永遠なのサ。−母、赤朽葉毛毬
ようやくたどりつた。現代。語り手であるわたし、赤朽葉瞳子自身には、語るべき新しい物語はなにもない。ほんとうに、なにひとつ、ない。−わたし、赤朽葉瞳子

以下ネタばれ
これまたすごく面白い本でした。赤朽葉家の戦後を三人の女性を中心に瞳子が万葉に聞いた話を元に書き綴った物語。私と同年代の毛毬(1966年生まれ丙午)の章が個人的には一番面白かった。
華麗なる一族」をドラマ化するならこちらもドラマ化して欲しい。でも、キムタクが演じる役はないけど。
万葉の姑のタツの名付けが面白い。万葉の子供たち。長男:泪、長女:毛毬、次女:鞄、次男:孤独。もう一人妾腹の子、百夜(これはタツ命名ではない。)。
私の感想ではうまく伝えられないので興味のある方は↓こちらをご覧ください。
http://www.webdokusho.com/shinkan/0702/t_1.htm
ほぼフルマークの評価です。同感です。