完読No.56 しゃべれども しゃべれども 佐藤 多佳子 著 新潮文庫   


裏表紙

俺は今昔亭三つ葉。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、目下前座よりちょい上の二ツ目
自慢じゃないが、頑固めっぽう気が短く、女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に話し方指南を頼む物好きが現れた。でもどいつも困ったもんばかりで・・・・歯切れのいい語り口で、言葉にできないもどかしさと不器用な恋を描き、「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」第一位に輝いた名作。

以下ネタバレ
私の上半期No.1作品。往復の電車(2時間)、昼休み(30分)、家(30分)、貴重な睡眠時間を忘れて一気に読みました。途中、何度も涙ぐみ、時には登場人物と一緒にガッツポーズをしながら、はらはら、ドキドキ、楽しんで読みました。誰かに薦めたくなる作品。好きなシーン、三つ葉の師匠今昔亭小三文の弟弟子白馬と、一門会の終わりの楽屋での絡みのシーン。「饅頭こわい 東西対決」で宮田が笑ったシーン。等。
好きな登場人物は村林少年。関西弁で生意気で阪神ファンで小さくて、かわいい。
映画化されている。見たいような見たくないような。だって、この雰囲気をすべて出すのはかなり演技力が必要。
キャストを見て納得できるのは今昔亭小三文の伊東四朗さんと湯河原太一の松重豊さんぐらい。三つ葉の祖母の八千草薫・・・・・。イメージに合わない。生きていれば内海好江師匠にやって欲しい。三つ葉の国分君・・・。着物を着るとタイコモチに見える。十河五月の香里奈さん・・・・。合っている様な合っていない様な。見てみないと解らない。多分見に行くと思う。