完読No.73 ぼくと、ぼくらの夏 樋口 有介 著 文春文庫

高校2年生の夏休み、同級生の女の子が死んだ。刑事の父親と二人で暮らすぼくは、友達の麻子と調べに乗り出したが。。。。。開口健から「風俗描写が、とくにその”かるみ”が、しなやかで、的確であり、抜群の出来である」と絶賛され、サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した、青春ミステリーの歴史的名作。

以下ネタバレ
樋口さんの最高傑作と言われるのも良く分かる。柚木草平の原型がここにある。でも、私は柚木草平の方がいい。高校生でここまで冷静に事実を処理できる子はいないと思う。おそらく、樋口さんもそれに気が付いてその後の作品では柚木草平を使ったんでしょう(根拠は無い)。確かに青春ミステリーだけど、かなりほろ苦い。私的には麻子さん(主人公が作品中でテキ屋の娘をこう呼ぶ。高校生が同級生を名前のさん付けで呼ぶなんて事は・・・・)との絡みが読みたかった。それでは、青春ラブストーリーになってしまうけど。