完読No.36 木野塚佐平の挑戦だ 樋口 有介 著 創元推理文庫

裏表紙

現職の総理大臣が急逝し大混乱の世間をよそに、美人ニュースキャスターの姿に煩悶する木野塚氏。些細な事件を解決し、糊口をしのぐ日々だったが、突然ケニアから桃世が帰ってきたかと思うと、オタク男の奇妙な相談をはじめ急な依頼が相次ぐ。それらが、なんとあこがれの大事件に繋がって―。桃世とともに木野塚氏は今日も行く。ユーモア・ハートボイルド長編、初文庫化。

以下ネタばれ
前回もそうですが、この木野塚佐平さん。私と似ている。目の前に事件(仕事)があるにもかかわらず、考える事は女性の事。昔、憧れた女優さんや、業界新聞の編集長、果ては人気ナンバーワンキャスターまで。妄想は留まる事をしりません。そして、事件は国家レベルにまで発展しますが、木野塚はどこ吹く風です。でも、政府の要職を引き換えに目をつぶる事を強制されると、あまり変わりません。一応、ハードボイルドなんですが、中身はバカミスです。でも、それがいい感じです。樋口さんは、女性を魅力的に書くのが上手いので(この場合は、木野塚佐平さんの妄想と言う事になりますが)、自分だったらどの女性がいいかなぁ〜と、余計な妄想をしてしまいます。妄想の連鎖ですね。