亜愛一郎の狼狽 泡坂妻夫著&2-3(ヤクルト)●

学生時代に読んだ本をつい最近再読。
古さを殆ど感じさせないのは、時代背景に頼った描写が少ないからか?
やはり伏線の張り方は日本屈指だと思う。
そして、今回再読して改めて感じたのは、主人公以外の人物の描写が上手い。
「DL2号機事件」では羽田刑事の視点で話が進んでいく。
実際に事件を解決するのは探偵役の亜愛一郎なのだか、彼の視点で語られる事は無い。
その辺がこの短編集の面白さかも。
話は変わるが、先日『姑獲鳥の夏』の映画化が発表された。
キャスト中で評価が分かれるのは榎木津役の阿部寛だろう。
私はオダギリジョーを推したが、実は亜愛一郎が適役だと思っている。
両方の作品を読んだ人が知り合いにいないので賛同が得られない。
まぁ、どちらも架空の人物なのでどうしようもないが。