完読No.16 蝕みの果実 船戸 与一 著 講談社文庫

セミファイナルに名を借りた”私刑(リンチ)”の開始のゴングは鳴った。だが、負け犬にも魂がある・・・・。アメリカ・スポーツ社会の片隅で孤高の闘いを続ける日本人たち。彼らの壮絶な生き方と苦悩をダイナミックに描くハードボイルド小説集。冒険小説の第一人者が10年間の日米関係の変遷をmp浮きぼりにする渾身の7篇。裏表紙引用

1.セレクション・ブルウ(Baseball
2.からっ風の街(Wrestling)
3.黄金の眼(Mountain climb)
4.コリア・タウン(Taekwondo)
5.梟の流れ(Rifle Shooting)
6.斑の蝶(Boxing
7.ミセス・ジョーンズの死(Atletics)

べつに格別の意味があるわけではないが、ここに集められた短編にはふたつの共通項がある。まづ舞台がアメリカ合衆国。次に、主要登場人物が何らかのスポーツに関係している。作品の執筆はほぼ十年まえからぽつりぽつり行われたもので、こうして七編を集めてみると、十年間の日米関係の変遷がおのずと浮かびあがる。それはそれで一興だろう。著者。

全くこの本とは関係無いが、西島洋介の試合を見て彼の闘い、生き方が、この本に出てくる人々とリンクして妙なリアリティを感じさせた。