No.26 ニコラスマク・ファーソン Piper 紀伊国屋サザンシアター

★★★★★
http://www.nelke.co.jp/piper/#nicholas

【作】 後藤ひろひと(Piper)
【演出】竹下宏太郎(Piper)
【出演】小須田康人 みのすけナイロン100℃三上市朗劇団M.O.P
     六角慎司 平田敦子 アドゴニー / 川下大洋(Piper)
1999年に上演されましたPiper第2回公演作品『ニコラス・マクファーソン』の再演。
この芝居の初演を観たことが、私を観劇の道へ進ませる事になる。それまで抱いていた芝居に対するネガティブな感情を払拭してくれた作品でした。そして後に大ファンとなる後藤ひろひと、大王の作品に初めてふれたのもこの作品。
初演もそうでしたが、再演も非常に楽しいお芝居でした。楽しい、笑える、時間の過ぎるのが早い、観劇初心者にお勧め。東京公演は8/22(火曜日)まで、紀伊国屋サザンシアター(新しい紀伊国屋の方)です。開演は19時から。私が観た時は空席がチラホラありました。当日券があるのでしょう。楽しいお芝居を観たい方は是非。
と、宣伝になってしまいましたが、観ても損はございません。尤も、お芝居に難しい事を求める方にはお勧めできません。一切、難しいことは含まれておりません。子供でも楽しめる作品です。ドリフのコントに近い感じ。
以下ネタバレ
脚本的には特に新しいことも深〜い人間関係も難しい話もありません。ある国の外交官を暗殺者から守る警察官達と暗殺者達の話です。と言っても血生臭い話ではなく、雰囲気は完全なコメディです。
この作品の一番重要な部分はシンクロ。舞台装置は一つ。外交官を迎える施設のロビー。警察官達は暗殺者からどうやって外交官を守るか検討。一方暗殺者達はこの施設と全く同じ物を倉庫に作り、どうやって暗殺するか検討。これを同じ舞台上にあげてしまってます。説明が下手なので分かりにくいと思いますが、見た目は全く同じ舞台装置。2箇所の空間を重ねて舞台上で表現させる。どこかでぶつかって しまうのではないかとハラハラしながら観ました。今回の演出は竹下宏太郎米米クラブで踊っていた人です。つい最近復活したけど、彼は出てないですよね?ここにいます。いい演出でした。決め事が多いので客席で観ているとやきもきすると思います。
出演者はかなり個性豊かです。皆さん、いい演技でしたが、私のお気に入りは小須田康人さんと平田敦子さん。
小須田康人さんは普段の真面目な役と違って、3枚目でボケ担当。緊張感が無いけど、どこか鋭い。そんな役をベテランらしく余裕を持って演じてました。
平田敦子さん。小劇場界のリーサルウェポン(私が勝手に命名)。彼女が舞台に現れれば確実に笑いがとれます。
見た目がユーモラス。不貞腐れた時の演技は天下一品。彼女を観るだけでもチケット代の価値はある。
私が観た日はカメラが入ってました。直ぐ横にカメラがありました。カメラマンがクスクス笑ってました。それ程笑える作品。時間とお金のある方は是非。公演の最初の方に観た方は是非2回目も!最初の頃より回数を重ねた方が絶対に良くなるタイプの作品。