No.3 甘い丘 KAKUTA シアタートラム

★★★★☆
以下ネタバレ
KAKUTAの桑原裕子さんが好きなのだ。マニアック?いいじゃない。それはさて置き。好きだといいながら、KAKUTAは2度目(多分)。殆ど初見。いやぁ〜濃い。こんな本を書く人なんだ。どん底のような環境。そこにいる、他に行く当ての無い人々。そしてそこから出て行きたい人。そこに帰って来たい人。それぞれの事情が丁寧に描かれています。特に誰が主役って芝居ではない(名づけてトライアングルオフェンス芝居。なんのこっちゃ。)出演者それぞれに役とそれに見合うバックボーンを与えストーリーを紡いでいく。旦那が別の女性と暮らすために出て行ってしまった女性が、一応の主役。他にも横領して服役して保護監察官に紹介されてその工場で働く女性(姉と揉めている)や、元引きこもりで、今はひもと一緒に住み込んでいる女(そのひもから日常的にDVを受けている)や、工場長と愛人、その愛人は妹の元彼等々。他にも色々ありそうな人ばかり。結末はとりたてて悲惨にもせず、ハッピーエンドにもせず、ジンワリと終わりました。脚本に☆4つ。