完読No.8 密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野 晶午 著 講談社NOVELS


裏表紙

<頭狂人><044APD><aXe><ザンギャ君><伴道全教授>。
奇妙なニックネームをもつ5人がインターネット上で
殺人推理ゲームの出題をしあっている。
密室、アリバイ崩し、ダイイニングメッセージ、
犯人当てなどなど。
ただし、ここで語られる殺人はすべて、
現実に発生していた。
出題者の手で実行ずみなのである・・・・・。
茫然自失のラストまでページをめくる手がとまらない、
歌野本格の粋を心して噛み締めよ!

歌野氏のコメント

「殺したい人間がいるから殺したのではなく、使いたいトリックがあるから殺してみた」(本書300ページより)
最初のアイデアは1988年ごろ芽生えました。あまりにふざけた話で、現実に発生しえないのはもちろん、小説にもできないと捨てていました。
ところが前世紀末あたりから、案外こういう事件が現実に起きたりして、起きそう、きっと起きるぞ、としだいに強く思うようになり、そして本作が生まれました。
さいわい、現実に追い越されずにすみましたが、未来永劫こういう事件が起きないことを切に願います。

以下ネタバレ
私も切に願います。この本のようなことが現実に起こったら犯人を憎める。
でも、そんな風に思う一方。自分もこれに参加したい気持ちも少しだけある。あ〜嫌だ嫌だ。病んでる。
歌野ワールドにどっぷり引っ掛かってしまった。