完読No.17 邂逅の森 熊谷 達也 著 文春文庫


裏表紙

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。失われつつある日本の風土を克明に描いて、直木賞山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した感動巨編!解説・田辺聖子

WEB本の雑誌の2月の文庫で紹介されていたので購入。
http://www.webdokusho.com/shinkan/0702/b_6.htm
直木賞山本周五郎賞を取っていたとは知らなかった。読後は、ダブル受賞は当然と思った。久しぶりにページをめくる手が止まらなかった。
以下ネタばれ
何がいいって一言では説明できないが、書かれている内容が骨太なのが一番かな?マタギという現代のサラリーマンの家庭に育った私には創造もできない職業。自然(山)との接し方、獲物との接し方、全てが初めての体験。主人公富治の人柄にも引っ張られ、最後まで飽きることなくマタギライフを堪能。耳を澄ますと「勝負!」と聞こえてきそうな臨場感。私の上半期No.1作品。ん?少し前にも同じことを書いた気がする。まぁいいか。それだけ面白い本を読めているってことだな。
私は女同士の静かな戦いの場面が好きです。いつの時代も女性は強い。