No.18 レミゼラブ・ル 演劇キック 新宿シアターアプル   

http://www.enbu.co.jp/kick/aplu/remize_b.html
★★★★☆
以下ネタバレ
脚本・演出:ブルースカイ
出演:廣川三憲/大堀こういち/原金太郎/新井友香池谷のぶえ/小村裕次郎
加藤啓/辻修/市川訓睦/野間口徹/加藤直美/吉本菜穂子/高木珠里
猫ひろしいとうせいこう
この面子で、観に行きたいと思わない小劇場ファンはいない、と思う。
上演時間・3時間半(15分の休憩込み)は、確かに長い、無駄に長い。
あらすじ

たった一枚のスクール水着を盗んだために、
ジャン・バルジャンの運命の歯車は静かに狂いはじめる…
たった1枚のスクール水着を盗んだために、悲劇の主人公ジャン・バルジャンは19年間監獄に入れられた。
ジャン・バルジャンは出所後も〈変態〉のレッテルを貼られつづけ、世の中は彼に仕事も、住むアパートも与えない。自分の運命を呪い、そして世界を憎むジャン・バルジャン
そんな彼を受け容れてくれた、ただひとつの町《ル・歌舞伎町》。
表の社会では生きていけない訳ありの者たちが暮らすその町に恩返しするため、ジャンは立ち上がるのだった。
ヴィクトル・ユーゴーの名作「レ・ミゼラブル」を、豪華な出演者たちが、ただの一度も経験したことないオペレッタによって、壮大なナンセンス傑作として蘇らせます!

レ・ミゼラブルで感動し、涙した人がこの作品を観たら、ひきつけを起こすかも。私は幸い(不幸?)にしてレ・ミゼラブルは読んだことも、観た事も無いので、素直に笑わせて頂きました。
本当に色々と詰まった作品でした。基本は、コメディなんですが、途中途中は出演者が無駄に酷い目に遭います。尤もこれはブルースカイ作品(猫ニャーの時とか)では、よくみられました。「不条理劇」全開です。
個人的には、盗んだスクール水着を着込んでいる廣川さんには、耐えられませんでしたが、この役は廣川さんしかいない。いや、廣川さん以外引き受けない。途中で、廣川さんのイメージ回復ビデオが流れましたが、焼け石に水です。かなり、気持ち悪いです。シュプレヒコール原発反対と児童ポ○ノ禁止法案撤廃を叫ぶ姿は、力強くもありオーラまで見えましたが、引きます。最後まで、この作品のジャンバル・ジャンに哀れみ、同情を感じさせない演技&脚本は圧巻。☆4つあげたい。そして、ジャンバル・ジャンのライバル的な存在であり、宿敵のジャベール(小村裕次郎さん)。かなりいいです。頑なに性犯罪を憎み、ジャンバル・ジャンを執拗に追求する。彼がそうする理由は?それはおいおい分かってきます。バリゲードの近くでの最後の対決シーン。かっこ良かったです。そしてラストシーン、ライバルが親友に変わり、命がけで原子炉に向かうジャベール。この芝居一番のかっこ良さでした。
余りにもツボのシーンが多く、ここでは全て紹介出来ません。気になる方は、本日の19時公演が千秋楽です。是非。芝居には全然関係ありませんが、劇場に入って直ぐのところに花輪が飾ってあります。みうらじゅんさんから、猫ひろしいとうせいこうさんへ、連名で一つの花輪。猫とせいこうさん一緒?流石、みうらじゅんさん。こんな所でも笑いを獲ってます。
ナイロン100℃のケラさんが、ブログで少し触れてます。ニセバルジャン。いいネーミング。
http://blog.livedoor.jp/keralino/archives/2007-04.html#20070409
「楽屋でブルースカイを抱きしめ」ブルースカイをケラリーノ・サンドロビッチが抱きしめる図。誰が日本人を想像するでしょう。しかし。私的にはその場に居合わせたら泣いてます。