No.38 THE BEE NODA・MAP番外公演 シアタートラム

http://www.nodamap.com/02thebee2/gaiyou.htm
★★★★☆
以下ネタバレ
正直に言うと、星5つなんです。もうお手上げでした。殆ど何も情報を入れずに行ったのが良かったのかどうか・・・。観たのは土曜日でしたが、今現在もどう受け入れればいいのか分からない状況です。
単に舞台上で起こった事だけを考えればいいもんでもない。広げれば戦争の根本原因みたいな所まで行ってしまうし。その手前でも充分に深いのに・・・・。
原作(筒井康隆氏が'70年代に刊行した「メタモルフォセス群島」(新潮社)に収録された短編小説 『毟りあい』。)があるのでそれを読むことから始めようかな。それとも劇場で「新潮」を買ったので戯曲から読もうかな。
それをしても尚、このモヤモヤ感は拭えないと思う。
単純にお芝居を観た感想を言えば、「凄い芝居だった」で済むのですよ。でも、野田さんに対する期待はその程度では済ませられない。納得できない。自分自身が許せない。もっと、深く深く分からないと嫌だ。元々の理解力の無さが露呈してしまうので恥ずかしいのだが、はっきり言ってよく分かりませんでした(芝居自体は分かりますよ。勿論。それ程馬鹿じゃない。その奥行きが分からないんですよ。)。こういう芝居を観せられると、普段頭を使っていないのが悔やまれる。もっと、学ばないと。追いつくことは無いけど(松尾スズキさんでさえ「ハゲ具合だけはなぜか追い越してしまったが、この人を追い越す日はないなと思った。」と言っているぐらい。)、せめて表現されたものを理解できる所には行きたい。それが出来なかったので星4つ。あくまでも自分の実力不足が星−1。
芝居そのものとは関係無い事。今回はトラムシートで観ました。シアタートラムの一番後ろ。バー?みたいな物が2本あります。そこへ寄りかかるように観る席。最初は立ち見より楽かと思ったけど、立っていた方が楽だった。
隣に私より太っている男性が来た。アッチャーです。ただでさえ仕切りが無いトラムシート。お互いに境界線から肉がはみ出てました。そこはデブ同士、気持ち体を縮めて譲り合いました。でも、その人の呼吸音が気になって仕方が無かった。貧乏ゆすりやおしゃべりなら注意するけど、呼吸音は仕方が無い。止めろって言うと死んじゃうから。他の人は多分気にならないと思う。私は駄目なんですよ。中途半端に集中しているので小さな音が物凄く大きく聞こえる。それに注意がそらされたのも事実。っていうか、そんな音が聞こえ得るほど中途半端な集中力。
「英語オリジナルバージョン」も観たいけど、今からだと立ち見だな。立ち見は階段なんだよね。あれも辛いね。
芝居に関係する事。開演前に懐かしの音楽が流れていた。キャンディーズの「年下の男の子」等。どうして?
芝居が始まって暫くして分かりました。時代設定がその音楽が流行っていた時代だからなんだなと。芝居中に流れる曲「剣の舞(尾藤イサオ)」(teshiさんに教えてもらいました。)が効果的でした。「剣の舞」と分かっているのに途中からガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」になってしまった。似てない?似てないか・・・。耳まで馬鹿だった。
追記
理解してないなりに考えた。今回の公演は日本語バージョンと英語バージョンがあります。2バージョン上演するなら被害者側の視点と加害者側の視点で上演すればよかったのに。戯曲を一から書きなおす手間はあるけど、野田さんなら最初からイメージはあるはず。被害者バージョンでは、野田さんの一人芝居のようになっていた。野田さんって主役はやらないんだよな(遊夢社時代は知らないけど、NODA・MAPでは無いはず。一人芝居は外す。)。だから、若干違和感が残ったんだよな。あの役を例えば小市漫太郎さんが演じたらもっと恐怖感があったろうし、秋山さんの役を違う女優さんが演じれば違った様相を呈したと思う。あの4人はみんな上手くて満足だけど。使い方が勿体無い気がした。贅沢なキャスティング。