No.41 双六公演 砂利 ダンダンブエノ スパイラルホール

http://www.dandanbueno.com/info.html
★★★☆☆
ダンダンブエノは3回目かな?今回は前評判があまり芳しくなかったので、期待値が非常に低い状態で行きました。
それが幸いしたのか、みんなが言うほど酷いとは思いませんでした。って言っても、所々寝ていましたけどね。期待して観に行っていたらがっかりしたかも。客層が面白かった。どう見ても坂東三津五郎さん目当ての人(おばさま方)達が結構いました。
以下ネタばれ
作 本谷 有希子
演出 倉持裕
出演 坂東三津五郎 田中美里
出演 片桐はいり 酒井敏也 山西惇 近藤芳正
これだけ毛色の違った人達を集めたんだから、観る側としては化学反応を期待するでしょ?期待値が低いと言いながらもその点では少々期待してました。で、どうだったか?半分成功半分失敗。
本谷さんの作品は、こういう感じなんでしょう。そう言えば初見だ。好き嫌いは別として、構造的にはよく出来ていたと思います。倉持さんの演出。本谷さんの作品の持つ雰囲気とは全く逆の世界観を持ってますよね。だから、ちょっと微妙。やっぱり倉持さんは自分の作品を演出した方がいい。
役者陣
坂東三津五郎さん。ある意味冒険的な役柄でした。歌舞伎の坂東三津五郎さんを好きなおば様方は、そのギャップに大喜び。キャーキャー言ってました。そういう意味では彼本人的には成功なんじゃない?私は特にファンじゃないから普通に観てしまったけど。
一人飛ばして、片桐はいりさん。安心して観ていられる。でも、時々期待を裏切る吹っ飛んだ演技をしてくれました。やっぱりうまいやこの人は。
酒井敏也さん、役が特殊な役だったからやりにくかったんじゃないかな?普段は普通何だけど、一つだけどうしても周りの人と相容れない部分を持つ役にすればよかったのに。そうすれば「箱」も生きてきた感じがした。
山西惇さん、こういう役ははまりますね。かなり信用できない人柄をやらせるとうまい。でも、どこか憎めない。
近藤芳正さん、この人の演じた「弟」は色々な想いが込められる役なので役作りが大変だったような気がする。最後に砂利を踏みつけるシーンでそのうっぷんを開放しているように見えたのは私だけ?
最後に田中美里さん。私は彼女が妙に苦手。だいたい綺麗な女性は好きなんだけど、なぜか苦手。だからと言うわけではないが、彼女への評価が厳しい。単に上手い下手を言っても仕方ない気がする。この芝居の登場人物の中で一番難しい役だと思います。それをこなしていたら苦手でも評価します。でも、こなしてはいなかった。時間があればこなせるのか?才能の問題なのか?それはよく分かりません。他の人の評価も低いです。でも、もう少し何とかなったような気がする。もっと意地悪な感じにすればいいのにと思った。姉を正に家政婦のように使い。旦那の弟を運転手のように使い。居候の事は人間扱いしない。でも、フリーターには優しい。余計に難しいや、無理だね。
最後に劇場。スパイラルホールって最悪の劇場だ。スタッフの人達のことじゃないですよ。劇場そのもの。前の方がフラットすぎて舞台が観えないんだよね。前の人も観えなかったらしく、芝居中にしょっちゅう頭を動かすんですよ。その度に私も頭を動かす。首が疲れた。芝居を観せるならもう少し改造してくれ。