完読No.108 幻の声 髪結い伊三次捕物余話 宇江佐 真理 著 文春文庫

裏表紙

本業の髪結いの傍ら、町方同心のお手先をつとめる伊三次。芸者のお文に心を残しながら、今日も江戸の町を東奔西走・・・
。伊三次とお文のしっとりとした交情、市井の人々の哀歓、法では裁けぬ浮世のしがらみ。目が離せない珠玉の五編を収録。
選考委員満場一致でオール讀物新人賞を受賞した渾身のデビュー作。解説・常盤新平

以下ネタバレ
伊三次とお文、それに北町奉行の不破友之進。3人の視線で語られる五つの物語。江戸庶民の生活が生き生きと語られています。優しさや悲しさ、哀れ。しっとりとこころに沁みてきます。
・幻の声:なんであんな男を助けるんだい?駒吉の心情は、意外な話でした。
・暁の雲:惚れ合って一緒になった仲のはず。しかし、それは言っちゃあいけなっかた・・・・。
・赤い闇:幼馴染でも夫婦の仲は伺い知れぬ。不破の優しさが染み出た逸品。
・備後表:おっかさんのたった一つの願い。叶えてあげたい親孝行。泣いてしまった。
・星の降る夜:読んでいる途中。
次の作品も勿論買いますよ。