完読No.42 カラシニコフI 松本仁一著 朝日文庫

カラシニコフひとはそれを「悪魔の銃」と呼ぶ
裏表紙

内戦やクーデターが起きるたびに登場する銃、カラシニコフ。開発者カラシニコフシエラレオネの少女兵、ソマリアのガードマン、作家フォーサイスなどへの取材を通し、銃に翻弄される国家やひとびとを描く。朝日新聞特派員として数々の紛争取材に携わった著者による迫真のルポルタージュ

以下ネタばれ
カラシニコフ自動小銃の傑作。設計者は迫り来るナチスドイツから祖国を守るために、この銃を設計した。使いやすく、壊れにくく、初めて銃を扱う人でも使える。小学生ぐらいの子供達でも使える。それは悲劇。飾らない文章が、その悲惨な状況をリアルに甦らせる。第一章で、早くも泣いてしまった。可哀想、なんて、言えない。無性に謝りたくなった。第二章は一転してカラシニコフさんの話。いいお爺さんなんだこれが。責められないよ。