姑獲鳥の夏 京極夏彦著 講談社文庫

久しぶりに読んだ。かなり忘れている。ストーリーや人物紹介はいたるところで書かれているので割愛。
私にとってはワトソン役の関口巽がやはり気になる。本名は「関口」だが、「関」と省略して呼ばれている。そのせいかどうも他人とは思えない。彼が原因で単純な事件が複雑化してしまうが、私はそれでも良いと思う。彼の迷走がこの作品の根幹であり、そういう意味では彼が居ないとこの作品は榎木津が病室を覗いた瞬間に終わってしまう。私も思い出したくないことは綺麗に忘れる性質(たち)なので、共感、シンクロしてしまう。
映画では関口巽役を永瀬正敏が演じる。猿ガオだから選ばれたのか?もう少し情けない方がいいと思った。