男性の好きなスポーツ ナイロン100℃ 本多劇場

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ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出のお芝居です。
ケラリーノ・サンドロヴィッチは日本人です。でも、時々その著作がロシア人作家のコーナーにある。劇作家としてのケラリーノ・サンドロヴィッチは知らなくても有頂天(バンド)のヴォーカルと言えば分かる人も居るだろう。今では日本を代表する劇作家です。
今回の作品はえんぺ
では評価が分かれました。最終的には自分の目で確かめないと分かりませんが、楽しみです。
ところで「男性の好きなスポーツ」と言われて人は何を想定するのだろう?野球、サッカー、バスケット、格闘技etc。この芝居は太古より続くあるスポーツを想定してます。

ここから先は私の妄想です。これを読む女性はいないと思いますが、読んでも変態だと思わないで下さい。私はごく普通の男性です。
あるスポーツとは「S○X」の事です。話としては「S○X」の話でした。
なので際どい言葉の応酬あり、女性(ラッキーな事に男性の露出は控えめ)の肌の露出が多い芝居でした。ある意味露悪的な芝居でした。勿論それが狙いなのは十分伝わります。1幕1時間35分、休憩10分、2幕1時間35分。長い芝居でしたが、一瞬も寝る事無く最後まで楽しめました。今年の私の裏ベスト1作品。
特に主人公がハッキリしている訳ではないのでストーリーは説明しにくい。
簡単にまとめると、人は容姿、性格、出自、職業etcで他人とは違っている。当然の如くS○Xの嗜好も人それぞれ。それを色々なパターンとして登場させる事によって描いている。そういう芝居。なので劇中普段他人がうかがい知れない「夫婦の会話」「恋人同士の会話」「愛人との不倫」「女性を騙す手口」「妄想」が次々に登場。
一見、S○Xがらみの部分にスポットが当たり易いが、それ以外の部分もさらりと聞き流されそうな台詞にはっとさせられた。例えば、身障者の人は自分で性的な処理も出来ない、ボランティアで手伝いをする。SEXカウンセラーの妻に頼まれてそのボランティアをさせられそうになる夫(会社専務)。「男のオナニーなんか手伝いたくないよ」。確かにそう思う。でも、避けては通れない事。真面目に捉えると凄く真面目に受け止められえる作品でした。
しかし、一人の男性としてニヤニヤしながら観ていた部分もある。
話とは関係なく途中でダンサーが登場してエロティックなダンスを披露。最初はウェイトレス、次はつなぎにガスマスクで中は黒い下着(下はひもTバック)で手ブラ。かなり目が釘付けでした。
裏のテーマはフェチだろうな。しかしこんな格好に感じる人もいるんだな。
何故か黒い下着が多かった。それと髪が長くてスレンダーな女性も多かった。これはケラさんの趣味だろう。
役者さん個々の評。
アイドル系として小沢真珠すほうれいこも出演。小沢真珠は白痴で会社専務に監禁されている役。昼メロの時とは打って変わって天真爛漫な女性を怪演。どの地方の言葉か分からない訛りが妙におかしい。(訛りフェチ)
すほうれいこ小沢真珠を監禁している会社専務の娘。父が女性を監禁している事にショックを受けバイト先で知り合った男性とホテルへ。一見純情そうだが1杯の酒で男(みのすけ)をたぶらかす。白いバスローブの下はやはり黒い下着。今回出演の女性の中では私の好みに一番近い。特に声が良かった。一番響いていた。(声フェチ&純情そうな女性フェチ)
ナイロン100℃の女優さん達も頑張っていた。
特に松永玲子さん。警官であることを利用して人の弱みに付け込み酷い事をする男性(京晋佑)に麻薬常習者である事を知られ男女の関係を迫られる女優の役。酷い男と思いながら次第に彼無しでは生活できなくなる女。ラストで怪我をした男が急に優しくなると気持ちが離れてしまう女。彼女が一番きつい役だったかも。客演の京晋佑のパワーに真っ向からぶち当たっていた。いい演技でした。勿論セクシーでもありました。(SMフェチ)
毎度毎度目が離せない村岡希美さん。今回は小沢真珠を監禁している会社専務の妻でありSEXカウンセラーの役。患者の夢のシーンで「ペニスが勃起」と連呼していたのがおかしかった。夫に「SEXカウンセラーの癖に下手なんだよ」と言われショックで何故かスイスへ旅立つ役。
それとは別に会社のOLの役の時は、丁度私の正面で開脚して下着が丸見えだった。それも黒い下着。上は白ブラウス&黒のタイトスカート。(秘書フェチ)分かっていても照れてしまう。
新谷真弓さんと長田奈麻さん。個人的にファンな二人。
新谷真弓さんはあまり出番が無かった。援助交際をしていた過去があり偶然その客に駅で会ってしまい、その男性からしつこく迫られる役。声が特徴的なので(声フェチ&ロリコン
長田奈麻さんは小劇場界No.1のグラマーな女優さん(そう言っているのは私だけ)。逆に露出が少なかった。別に脱がなくてもHな感じだからいいのか?彼女も今回あまり出番がなかった。残念。(言わずと知れた巨乳フェチ)
色んなフェチがありますね。
男優陣では、客演の長谷川朝晴も良かった。女を騙してはホテルに連れ込み色々したあと手足を縛り目隠しをしてお金を奪って逃げる。その時に背中に油性マジックで「ごめん」「ソリー」等書く。騙す時に1度本気にさせないと気がすまない。周りにいたら殺したくなるような奴。いい感じで演じていました。
それと藤田秀世。初期の金八先生に学級委員の役で出演していた太った人。今回は会社でバイアグラを後輩から譲ってもらうシーンとカウンセラーで自分の夢(妄想)を説明しているシーンが良かった。
その夢はこんな感じ。性倒錯者(変態)を集めてセミナーが開かれた。「男性(人間)は性行為を本来の目的である生殖以外の何か別のリビドーを感じないと出来ない生き物」例えば網タイツをはかせたり、目が悪くないのに眼鏡を掛けさせたりetc。
集まった人々は言葉(「ペニスが勃起」)に反応したり、人間では感じず山羊やミニチュアダックス、はたまた蟹じゃないと感じなかったり。最早、生き物では駄目で死体じゃないと感じなかったり。最後はコップやワイングラスでしか感じなかったり。救いが無いのは水滴に感じたりetc。講演者はそれは全て「普通です」とのたまう。(しょうも無いフェチ)
結局、夢なんですがね。
このシーンですほうれいこが下着姿(これも黒)で登場。参加者は最初は拒否するが、バイキングの被り物&ヒゲを付けると一気に興奮。
何かフェティシズムは人それぞれなんだと思いました。私は何フェチなんだろう?何かあるだろう。それは自分だけが分かっていればいい事なのかな?恋人や奥さんには知っておいてもらう方がイイのかな?
最後にみのすけ。今回は大倉孝二犬山犬子が出演しなかった分かなり頑張っていた。
真面目なサラリーマンで結婚してからは妻一筋。自分の不始末から家が全焼。末っ子が焼死。
家族からは邪魔扱い。そんな時にコンビニの店員(すほうれいこ)に惚れてしまい色々あってホテルへ。3日もホテルから出ず会社も無断欠勤。理由が思いつかなかったので記憶が無い振りを。後輩と共に病院へ。脳に腫瘍が発見される。本当に記憶が無かったのだ。コンビニ店員との事も記憶障害か?それだとかわいそう。初日だけでも本当であって欲しい。余命半年。

ラストシーンは警官と酷い男と会社専務が揃って入院している病院。そこで結婚式が行われる。
余命幾ばくも無い新郎。死ぬ前に結婚したい。切なる願いをかなえる親族。だが、丁度、式の最中に死亡。それを見て3悪人は大笑い。最後はケラさんらしいブラックな感じでした。

この芝居は別れかけの恋人同士や倦怠期でセックスレスの夫婦に見て欲しい。
来年の7月がベビーラッシュになって欲しい。
そういう感じ。

余談。舞台装置が故障していてスムーズに動かなかった。舞台挨拶でケラさんが「いい時に見ましたね」と言っていた。私としてはかなり気になったのでチョット残念。

長い割に内容が無い文章でした。最後まで御清読有難うございます。