完読No.24 タイムスリップ釈迦如来 鯨統一郎 著 講談社ノベルス

真面目に仏教を勉強している人に怒られるよ。でも、関係無い人には楽しめます。
現代から古代インドへタイムスリップしてブッダに会う。まだまだ小さな教団だった仏教を世界一の宗教にしたい。いや、このままでは仏教は滅びる。何故って?だってブッダはオカマなんだもん。
以下ネタバレ。
鯨統一郎さん、大好きな作家です。「邪馬台国はどこですか?」「新・世界の七不思議」。この2冊は歴史ミステリーの傑作です。高木彬光「の成吉思汗の秘密」、ジョセフィン・テイの「時の娘」に匹敵する歴史アームチェアーディテクティブだと思ってます。
でも、それ以外は変な作品が多いんです。「タイムスリップ森鴎外」「隕石誘拐 宮沢賢治の迷宮」「いろは歌に暗号(かくしごと) まんだら探偵空海」「とんち探偵一休さん謎解き道中」「喜劇ひく悲奇劇」etc.タイトルに惹かれて読みました。でも・・・。好きな作家なので評価基準が高いんですかね。余り面白くなかった。なので買うのを控えていたんです。つい出来心で買ってしまった。ところが、面白いんです。コメディの部分はそれ程でもないんですが、原始仏教が徐々に教団として形作っていく過程が、無理なく頭に入ってきます。仏教が様々な宗派に分かれてそれぞれの活動を行っていった鎌倉時代あたりの歴史は少しかじってます。意外に仏教発生の時代って知らなかった。勿論実際と全く同じではありません。ブッダはオカマキャラだし。老子ソクラテスまで弟子になってしまうし。ハチャメチャな部分は多数あります。でも、少しだけ勉強になりました。