完読No.76 ふたりのシンデレラ 鯨 統一郎 著 光文社文庫

doradora05112005-10-05

以下ネタバレ
冒頭の一文

私はこの事件の証人です。
同時に、犯人です。
そして、犠牲者でもあります。
それどころか、探偵役でもあります。
加えて、ワトソン役も務めます。
もちろん、記録者でもあります。
さらに、濡れ衣を着せられる容疑者でもあります。
最後に、共犯者でもあるのです。
今まで言ったことに、嘘偽りはありません。もちろん、私は複数の人間などではなく、たった一人の人間です。いったいどうしたらこのような事が可能になるのでしょう?中略
シンデレラは一人でよかった。ふたりのシンデレラがいたことが、あのような事件を引き起こしてしまったのですから・・・。

中々面白そうです。通勤の1時間強で220ページほど読み進んだ。読み易い。「邪馬台国はどこですか?」以来、読んでて面白い本です。
ストーリーとは関係無いが、芝居好きとして見逃せない記述があったので抜粋します。
ある登場人物の説明文。

・・・四季のほかにも、スーパー・エキセントリック・シアターこまつ座加藤健一事務所、野田秀樹などを追うようになった。
次には大人計画、かもねぎショット、WAHAHA本舗、キャラメルボックスなどなど。

スーパー・エキセントリック・シアター野田秀樹を同時に好きになる人はいない。会った事が無い。まぁこれはいいとしましょう。
しかし、大人計画キャラメルボックスを同時に好きなる人は、絶対にいない。いたら会ってみたい(嘘)いたら多重人格者だ!(大げさ?)
もしかしてこの人物が犯人なんじゃないの?
読後の感想。
思っていたよりよく出来た作品でした。巻末の解説がかなり誉めている。ある登場人物の芝居の趣味が意外と関係ありました。
83.8