未読No.81 誰が歴史を歪めたか 日本史の嘘と真実 井沢元彦 対談集 祥伝社黄金文庫

doradora05112005-10-22

読んでいた本に、たまたま靖国神社の事が書いてあった。勉強不足で靖国神社に関して、深く考察した事は無い。何故参拝すると怒る国があるのかも分かりません。追々勉強していきましょう。
長いけど引用します。
井沢元彦氏(以下、井)と小室直樹氏(以下、小)の対談。タイトルは「日本の宗教は怨霊宗教である」

前略・・小)恨みをのんで死んでいった悪霊が、英霊として靖国神社にまつられて国民に感謝されることによって国を守る善霊に転化する。これが靖国神社の論理です。それが何か。外国に気兼ねして首相はおおっぴらに参拝できない。とんでもないことです。儒教的考え方でいえば、一般国民には納税義務はあっても兵役の義務は無いんです。徳川時代でも戦争するのは武士だけです。その国民が引っ張り出されて死んでいったわけですからね。他方、強烈な尊皇思想もあったのでしたが。与謝野晶子の「君死に給うことなかれ」の歌ではないけど、どんなにいやでも、戦地に行けば死ななくてはならないイデオロギーが浸透していたんだから、靖国の英霊は怨霊でしょうな。
井)等しく陛下の赤子(せきし)となって死ななくてはならなかったわけですからね。
小)だから靖国神社で怨霊を鎮め、護国神社として位置づけるのは崇徳上皇の神霊を白峯神宮にお祀りしたのと同じテーマです。
井)小室さんは『昭和天皇の悲劇』にも書かれていますが、戦争後に天皇があの戦争は間違いだったと言わなかったのは、そういう陳謝の言葉を述べてしまうと、「聖戦」のために戦死した人々が怨霊になってしまうからということですよね。三島由紀夫は、頑として人間宣言すら否定していましたし・・・・。
小)そのとおりです。今の首相は外国に簡単に陳謝していますが、陳謝という意味が理解できていないんでしょうな。これでは、靖国の怨霊は国で守る善神に転化できません。
日本国は怨霊の恨みで、このうえなくみじめに滅亡するでしょう。靖国のたたりです。

この本は平成7年に刊行されたものを文庫化したものです。
これまた、たまたまですが、いつも読ませてもらっている「男の魂に火をつけろ!さん」も靖国神社に触れているのでトラックバックさせて頂きました。
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