完読No.82 骨の島 アーロン・エルキンズ 著 ハヤカワ・ミステリ文庫

doradora05112005-10-28

帯の文句より

■前作『洞窟の骨』の翻訳刊行から5年。ついにスケルトン探偵シリーズ待望の新作『骨の島』が邦訳された。

背表紙より

イタリア貴族の投手当主ドメニコは名に信じがたい言葉をかけた。「私の子を産んで欲しい」と。時は流れ、生まれた子は、実業家として財を増やそうとする。だがその矢先、一族の人間が誘拐され、さらに前当主ドミニコの白骨死体が地中から発見された。調査を始める人類学者ギデオンは、骨に隠された一族の数々の秘密を知ることになるが・・・・円熟味を増したスケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの推理が冴える本格ミステリ

久しぶりのスケルトン探偵。ジュリー夫人とも仲の良さも相変わらず。中年を過ぎてこの夫婦仲の良さはアメリカン人って感じ。日本人では中年夫婦をこんな風に描写できない。
話の本筋には関係無いと思うけど、面白い話があったんで抜粋します。

前略
「僕はイタリア生まれなんだぜ。こっちには七歳の時に来た。それも知らなかったというのか」
「ああ、知らなかった。君は一度もそんなことを言わなかったんだから、知るわけないじゃないか」
「言わなかった?そうか、言わなかったかもしれないな」
「驚いた」とジュリーが言った。「ほんとに驚いた。男性と女性って、本当に種が違う動物なのね。女性二人なら、お互いのそういうことは知り合って二十分以内に分かっているわよ。あなたたち、友達になってからニ十年なんでしょ」
「そんなこと言ったって、彼が話してくれなきゃ、僕に分かるわけないじゃないか」ギデオンは言い訳がましく言った。

私も二十年以上前から付き合いのある友人がいるが、驚くほど何も知らない。逆もまたしかりだろう。男同士だと、そんなに自分の事を話さないから。第一、自分の事をベラベラ話す男は敬遠されるから。確実に知っているのは誕生日と血液型。誕生日は一度聞いたら忘れない日だし。血液型は論争したので嫌でも覚えた。そう言えば家の住所も知らない。
83.8