No.1 スタンドアップ 試写会 日比谷公会堂

doradora05112006-01-11

http://wwws.warnerbros.co.jp/standup/
1.★★★★☆←客観的な目で見た評価
2.★★★★☆←思い入れを含んだ評価
チラシのコピー

私なんか、と何度も思った。
お前なんか、と何度も言われた。
それでも、立ち上がってみようと思った。

以下ネタバレ
TVCMも流れてます。なので、私が嫌いなタイプの映画だと思ってました。主人公が酷い目にあう映画は好きじゃない。でも、この映画はそれ程酷い目にはあいません。いや、酷い目にあっているんですが、直接的な描写がそれ程どぎつくないので何とか見れます。それにラストが・・・。
泣く寸前までいきました。映画館では泣いた事が無いので、これはかなりぐっときた作品です。
シャーリーズ・セロン(ジョージー・エイムズ)。初見でした。素敵な女優さんです。同時にそんなに騒がれるほど?とも思いました。「モンスター」の演技が凄いんでしょう、きっと。演技的には彼女より彼女の親友(グローリー)役のフランシス・マクドーマン(「ファーゴ」でアカデミー賞主演女優賞をとってます)が、より印象的でした。個人的にアカデミー助演女優賞を彼女にあげたい。別にシャーリーズ・セロンがよくない訳じゃないですよ。彼女は主役ですが、脇役がいいのです。地味ながら実力者が揃っているので演技的に際立たないだけです。他にもグローリーのパートナー役のショーン・ビーン。出演シーンの割には印象的です。私だけでしょうが、この人は悪役のイメージがあるので今回の役は新鮮でした。ジョージーの息子とのシーンはいいです。
ジョージーの父親役のリチャード・ジェンキンス。どっかで見たことある顔。最近では「シャル・ウィ・ダンス?」に出ている。探偵役かな?彼の労働組合集会での演説はいいです。娘に対する愛情表現が、ジワジワ変わっていく感じが素晴らしい。
弁護士役(ビル・ホワイト)&ジョージーのボーイフレンド役のウディ・ハレルソン。何となくバカっぽい役の印象が強い。今回は法廷シーンがカッコ良かったです。
出演者の事ばかり書きましたが、内容は?
実話だそうなので映画的などんでん返しは無いのかと思ってましたが、それなりに盛り上がります。メインは法廷のシーンです。これはヤッターと思いますよ。余計な事は言わないけど。
私はジョージーと息子のシーン、ジョージーと父親が労働組合の集会で話すシーン、グローリーの後半の登場シーンにぐっときました。やっぱり誰か苦しんでいる人がいたら助けてあげないと。強いものが弱いものをいじめていたら助けてあげないと。そして自分は弱いものいじめをしないこと。それには強くなるしかない。しゃがんだら立ち上がらないと。そういう映画です。
追記
インタビュー(ヤフーより)

女性監督との仕事
Q:『モンスター』、この作品、そして次作の『イーオン・フラックス』と女性監督との仕事が続いていますね。
そうね。でも、それは意識して選んでいるというわけではないのよ。たまたま、強く興味を惹かれた作品の監督が女性だったというだけで。わたしにとって一番大切なのは、優れた技量や才能を持ち、そのプロジェクトにふさわしい監督なのかどうかということであって、性別は二の次だから。『スタンドアップ』だって、セクハラをテーマにした女性映画というように観られがちだけれど、実は、ミネソタという厳しい自然の中で、限られた雇用の機会を争いながら、男も女も生き延びていかなければならないという社会状況を描いた人間ドラマなのよ。そういう意味では、「セクハラ」という言葉に拒絶反応を起こしがちな男性たちにこそ、この映画を観て欲しいと思っているの。