完読No.54 阿修羅ガール 舞城 王太郎 著 新潮文庫

裏表紙

アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的(ガーリッシュ)に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう?東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは-。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。

第一部:アルマゲドン
第二部:三門(崖、森、グルグル魔人)
第三部:JUMPSTART MY HEART
・川を泳いで渡る蛇 
「三門」が気になったので辞書で調べる。
こんな意味
1 中央に大きな門を、左右に小さな門を配した門。
禅宗伽藍(がらん)の正門。古代寺院の中門に相当する。一般に二階造りの楼門で、楼上に釈迦・十六羅漢などを安置する。本堂を涅槃(ねはん)に擬し、そこに到達するために通る空・無相・無願の三解脱門に擬する。のちには智慧・慈悲・方便の三つに擬していう。
3 経典注釈に用いる三つの視点。未意・釈名・本文解釈の三つ。
4 教・律・禅の称。
この本の場合は、3かな?崖は死後の世界。森は想像の世界。グルグル魔人は真犯人。どういうこっちゃ?
以下ネタバレ
アイコの人物設定が面白かった。何人かの男性を交際経験があるが、本当に好きなのは誰?実は、6年間好きな金田陽治がいる。陽治は友達としか思っていない。ショック!しかも、3つ子を惨殺され夫にも自殺された未亡人(結構美人)に気がありそう。ウキィ〜。
煙か土か食い物」以来、久しぶりの舞城作品。キャラクター設定が面白い。