完読No.73 マドンナ 奥田 英朗 著 講談社文庫

裏表紙

人事異動で新しい部下がやってきた。入社四年目の彼女は、素直で有能、その上、まずいことに好みのタイプ。苦しい片思いが始まってしまった(表題作)ほか、四十代・課長たちの毎日をユーモアとペーソス溢れる筆致で描く短編5編を収録。上司の事、お父さんの事、夫の事を知りたいあなたにもぴったりの一冊です

以下ネタバレ
長かった本を読み終わったので、少し軽めの本を購入。年齢的にも「分かるなぁ〜」が思わず口をつく本でした。
個人的には、マドンナとパティオがお気に入り。
・マドンナ:女性に対する恋愛感情が自分と似ている。分からないように行動していても、相手にはすっかりばれているんですね。この年で始めて分かった。
・ダンス:親の心子知らず。子の心親知らず。でも、中々腹を割って話せないんですよね。私は朝のタイプなのでどこ吹く風ですけどね。
・総務は女房:私も営業の会社にいるので物凄くよく分かります。
・ボス:ラストの彼の優しい眼差しが嬉しい。
・パティオ:年老いた父と母。どちらが先に亡くなるか?他人事じゃない。そして、人を思いやるのって、難しい。良かれと思ってした事が逆の意味にとらえられる事もある。でも、それすらも気がつかないよりいい。
奥田ワールド。縦横無尽。しかし、相手の気持ちが分かる人だな。