完読No.12 犬はどこだ 米澤 穂信 著 創元推理文庫


裏表紙

開業にあたり調査事務所<紺屋S&R>が想定した業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。−それなのに舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして・・・・いったいこの事件の全体像とは?犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵、最初の事件。新世代ミステリの旗手が新境地に挑み喝采を浴びた私立探偵小説の傑作。

以下ネタばれ
事情があって探偵を始めた主人公。探偵になんの執着も希望もあこがれも無い。しかも、探すのは犬。猫捜しさえ遠慮したい。そんな探偵が成り立つのか?しかし、それでは物語りが成り立たない。事件は探偵へ向かってやってくる。しかも2つ。それぞれの捜査によって探偵役を変更。語り口も変更。その辺がこの本の面白いところ。そして、たいした謎も無いだろうと高をくくっていたら・・・・・。面白かったです。