No.10 『リビング』 カスガイ 1st connect 王子小劇場

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★★★★☆

脚本 登米裕一(キリンバズウカ)
原案・演出 玉置玲央

■キャスト
須貝英(箱庭円舞曲)
加藤敦(ホチキス)
川村紗也(劇団競泳水着)
玉置玲央(柿喰う客)
深谷由梨香(柿喰う客)
村上誠基(柿喰う客)
渡邊安理(演劇集団キャラメルボックス)


大ファンな深谷由梨香さんが出演するので、観に行きました。
役者さん(玉置玲央さん)が自分がやりたい事をやる公演。
大体、素晴らしいものになる。
私なりの体験にもとずく法則。
ファンキーな外見とは、恐らく、違うような、合っているような、作品が出来あがっているのではないか、と期待して観に行きました。

感想
ネタばれがありますが、公演が終わっているからいいでしょう。

傑作だと思いました。


私の感想を書く前に、演出の玉置玲央さんの観いを転載(当日のチラシより)します。

compliments
何でこんな話を思いついて
何でこんな話を脚本にしていただいて
何でこんな話を上演したがっているかって言ったら

この演劇で救いたい人がいるからです。

常々、誰かを救いたいと思っている。
常々、誰かに影響したいと思っている。

おこがましいことばかり言っている自分ですが
演劇でならそれが可能なんじゃないかと
思ってます。

そして今日に至ります。

あなたを救いたくて
あなたに影響したくて

あなたと繋がりたくて

本日はご来場いただきまして本当に
本当にありがとうございます。

この公演に携わってくれた全ての人に、尊敬と慈愛と感謝を。

                               演出 玉置玲央

これ以上の事を私が書いても陳腐になってしまう。
当日のエピソードを紹介します。
post performance talk
4/28のゲストはタカハ劇団の高羽 彩さん。
http://yaplog.jp/takaha-gekidan/

キチンと話すのは、これが初めてだそうです。
とてもそうは思えない話しっぷり。
高羽さんの、これだけアニメ&漫画が好きなのに、そちらへは進まず、演劇へ進んだ理由とか。
「生理が止まった」と言う、ある役の台詞への高羽さんの過剰な反応や。
「最後に一回だけして欲しい」をなぜ入れたのか云々。その辺が面白かった。

そして、客席からの質問コーナーで、玲央さんのお父さんが質問して、それに対して息子が答えるって構図が、微笑ましかった。
あの姉弟は異母姉弟なんじゃない?的な発想は、私もそう思ったんだけど、観ている側のそうだったらいいな、という希望なんじゃないかと思った。
玲央さんもはっきり否定はしなかったけど、そういう設定だったら、ただの男女の愛情物語になってしまうよな気がした。
そういう、分かりやすい愛情物語ではないから、この話は胸に響いたんだと思う。腹に入ってきたんだと思う。
私自身、男女は違うよ目線で見てしまったので、多少のブレが生じてしまった。
それはそれでいいのだが、姉に対して、感情が殆ど動かなかった。
むしろ、永劫院永久の過去と現在にビリビリ来た。それは、演じた女優さんの好き嫌いでは無く、自分だったら、あの姉に対してああいう接し方は出来ないという思いがあるからだと推測される。
もっとも、弟に対しては完全に感情移入してしまい、もういいんだよ、もういいんだよと言い続けて芝居を観ていた。
最後の慟哭、叫びは、姉と別れてホッとしている自分に対しての絶望の様に感じた。
これでやっと人を気にせずオ○ニーが出来る、という嬉しさは入ってないだろう。多分。