完読No.48 ミャンマーの柳生一族 高野 秀行 著 集英社文庫


裏表紙

探検部の先輩・船戸与一と取材旅行に出かけたミャンマー武家社会だった!二人の南蛮人に疑いを抱いたミャンマー幕府は監視役にあの柳生一族を送り込んだ。しかし意外にも彼らは人懐こくて、へなちょこ。作家二人と怪しの一族が繰り広げる過激で牧歌的な戦いはどこへ・・・。手に汗握り、笑い炸裂。椎名誠氏が「快怪作(解説)」と唸り仰天した、辺境面白珍道中記。
WEB本の雑誌の評価が妙に高かったので購入。

http://www.webdokusho.com/shinkan/0606/b_6.htm
因みにフィクションではなく、ノンフィクションです。ミャンマーの現政権(軍事政権)を徳川幕府になぞらえ、その軍の総司令官を柳生宗矩とする。勿論裏柳生も出てくるし柳生十兵衛ならぬ三十兵衛(間抜けだから)が出てきたり。まじめに書けば相当暗くなる話を楽しくのん気に書いてます。作者の高野氏に輪をかけて一緒に旅する船戸与一がいいです。作品からは想像もつかないほど(ある意味作品より面白い)豪快です。柳生一族より船戸先輩と付き合うほうが大変そう。ミャンマーに旅する前に読まない方がいい本?ミャンマーでは日本の俳優といえばソニー千葉さんのようです。ソニー千葉の代表作は「柳生一族陰謀」。

やっぱりミャンマー徳川幕府だ。更に、最後の方でソニー千葉より知られている俳優(映画)が存在することが判明。それは国民的先生キャラのあの人が出演する映画。多分「ヨーロッパ特急」という映画だと思う。タイトルが書いていないから分からん。「ローマの休日」のパクリ(リメイク)作品のようです。なんてこと無い映画のようですが、ミャンマーで見た高野氏は泣いてしまったそうです。一緒に見た三十兵衛も泣いていたそうです。日本へ戻った後、政変があり宗矩が失脚。柳生一族はことごとく捕らえられたそうです。しかし、その後民主化が進むだかと言うとそうでもなく。色々と大変だそうです。この本の中にミャンマー識字率が高いと書かれてました。国連に最貧国の指定を受ける時に識字率の高さが問題になったほどだそうです。アジア圏ではかなり上位。そしてその理由は読書大国だからだそうです。至る所に貸し本屋があるそうです。電力設備が充実していないので夜は暇だから本を読む人が多いそうです。何故か親近感がわきました。私も最近暇だから本ばかり読んでます。