No.7 パフューム ある人殺しの物語 サロンパス ルーブル丸の内 

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1.★★★★☆←客観的な目で見た評価
2.★★★★☆←思い入れを含んだ評価
以下ネタバレ
賛否両論がありそうなあのシーン。ジャンは神なのか悪魔なのか(戸田さんは「天使」と訳してましたが)、あれは理想郷なのかただの欲望なのか。ジャンにもそれは分からないのだろう。最後に殺させる女性(超美形)が赤毛だったのは、示唆に富んでいると思った。結局、最初に殺した女性が好きだったんだ。でも、気がついた時には遅かった。赤毛の女性はいい匂いなのか?赤毛の知人がいないので確かめようが無い。
愛を知らずに生まれ育った人間は、愛する事が出来ない。
ジャンにはいい行い悪い行いが判断できないのだろう。それを別の表現で説明している。「ジャンは、悪い臭いといい匂いを区別しなかった」。
ジャンは人を殺す事に何の痛痒も抱かなかっただろう。それを農家のおばさんに言わせている「こんなに沢山花が勿体無いねぇ(花は香水のための原料。若い女性も香水のための原料。)」。
その辺りは、原作なのか脚本なのか分からないが、さりげなく配置されていて直接的な表現でない分、心に残っている。ジャンが無口(殆ど台詞が無い)なのを補って余りある。
ジャン役の俳優も良かったですが、忘れてならないのは脇役の俳優二人。
ダスティン・ホフマン:元有名な香水師。落ちぶれた感じとジャンの天才性に目をつけた慧眼とあっけない最後。アマデウスに対するサリエリの様な存在。
アラン・リックマン:女性連続殺人事件の次の標的が自分の娘であると気がつき(殺された娘より自分の娘の方が可愛いから次はお前だ!と言い切ってしまうのは凄い。確かに一番綺麗だった。)、阻止しようとするが失敗した香水商人。彼のジャンに対する「お許しください」は、非常に重みがあった。娘を殺された父親が、殺した張本人にそれを言わざるを得なかったって、どんな香水なんだ!
ジャンの天才性を表現するシーン(香水の原料の名前も知らないのに、大ヒット香水「愛と精霊」を再現して、更に良いものにしてしまうシーン。)は圧巻。
最初に殺してしまう女性と出会った(嗅ぎ付けた)瞬間のシーンは感動的。一目惚れならぬ、一嗅ぎ惚れ。あんな離れていても匂いを嗅ぎ付けられるなんて、警察犬か!
女性の体から匂いをこそぎ取るシーンは、愛撫にも似て非常にエロチック。フランス人は○が小ぶりなんだなぁ〜。