No.45 ロマンス こまつ座&シス・カンパニー公演 世田谷パブリックシアター

★★★★☆
出演
大竹しのぶ:オリガ・クニッペル他
松たか子:マリヤ・チェーホフ
段田安則:壮年チェーホフ
生瀬勝久:青年チェーホフ
井上芳雄:少年チェーホフ
木場勝己:晩年チェーホフ
ピアノ演奏:後藤浩明
作:井上ひさし
演出:栗山民也
振付:井出茂太
以下ネタばれ
私の中の舞台女優No.1(大竹しのぶ)、No2.(松たか子)の競演。楽しみでした。若干、松さんの評判が良くなかったので気になっていましたが、始まってみれば、観る前の懸案はどこへやら、楽しく観ることが出来ました。
基本はチェーホフの半生。そしてチェーホフに尽くした妹のマリヤの半生です。チャーホフ、名前は知っていますが、実際の戯曲を読んだり、舞台を観た事もありませんでした。この芝居を観て、興味が沸いたので近いうちに戯曲でも読んでみようかしら。
さて、これだけ芸達者が揃っていれば演技に関しては特に何も言うことはありません。チャーホフを4人の男優で演じる趣向も面白かったです。そんな中でも、晩年のチェーホフを演じた木場さんは流石。
場面的には、病床のチェーホフを見舞ったトルストイ(生瀬さん)とチェーホフ(木場さん)のやり取りが面白かった(十二条を最後まで聞きたかった)。
松さんは役柄が非常に真面目な役柄で、それに合せて堅実できりっとした女性を楚々として演じていました。
チャーホフが駆け出しの医者の頃、ある若者から求婚され、困りつつも受け入れる場面が可愛らしかった。
あと、何故か歌うシーン(生ピアノ演奏つき)が多かったのですが、歌は大竹さんより松さんの方が上手い。でも、キーが松さんに合せていたのでそのせいかも。あっ、出演者の中で一番歌が上手かったのは井上芳雄さんでした。どこの出身なんだろう?
そして、大竹しのぶさん。1幕は若干大人しくしていましたが(そうは言っても、リーマチ持ちのおばあさんはおかしかった)、2幕はその分を取り返すように爆発。後にチェーホフと結婚するオリガ・クニッペルを生き生きと演じていました。正に女優、そのもの。大竹さんにピッタリの役柄でした。単純に比べることは出来ませんが、この芝居では大竹さんの方が、松さんより生き生きして演じているように感じました。まぁ、演技力の差というより役柄の差だけって感じでしたけどね。芝居自体は、隣で気持ちよさそうに寝息を立てて寝ているおばさんに誘われて、一緒に寝てしまったので、時々ストーリーが抜けてしまい、脚本の妙味を味わうことが出来なかったのが残念。もう一回観るにはチケット代が高いし。BS辺りで放送しないかな。
追記
これから見る方は、これぐらいは↓軽く頭に入れておいた方がいい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%95
享年44歳。木場さんは44歳には見えない・・・・。これは言ってはいけない
トルストイって何人もいるんじゃない!!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A4
この芝居に出てきたのはどのトルストイ?年代的にレフ・トルストイかな。あのヨボヨボ状態から6年も生きたのか。