完読No.102 カタコンベ 神山 裕右 著 講談社文庫


裏表紙

水没するまでのタイムリミットは約5時間。それまでに洞窟に閉じこめられた調査隊を助け出さなければ−。
「もう同じ過ちは繰り返さない」。強い決意を秘めたケイブダイバー東馬亮は、単身救助に向かう。大きな闇に包まれた洞窟には、5年前の事件の真相と、殺人犯が潜んでいた。第50回江戸川乱歩賞受賞作。

帯の文句

作家にはまことしやかに
嘘をつく能力が必要とされるが、
その意味で、
神山裕右
稀代の嘘つきである(解説より)
江戸川乱歩賞24歳3ヶ月史上最年少受賞作

以下ネタバレ
乱歩賞の名に恥じぬ面白い作品でした。広義の意味でのミステリーです。サスペンス小説ですね。しかし、洞窟って嫌だなぇ〜。こんな状態で死にたくないリストNo.1の死に方だな。洞窟に閉じこめられて死ぬって言うのは。
史上最年少受賞って事に関しては、キャリアを積めばいい作品を書けるって事ではないので、過大に評価することもないし、拒否することも無いと思う。
作品そのものも、多少気になる点(近親者が殺されただけであそこまで執念を持って犯人を追及できるか?人を何人殺しても成し遂げようとした事って何?)はあるが、及第点は取っている。次作も中々高評価を得ているようだし、先が楽しみな作家さんです。