完読No.114 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ3 夢枕 獏 著 徳間書店


裏表紙

「これはいずれも、五十年も昔に見た夢の話よ。それが、まだ続いておるということだ」
丹翁は、溜息のように言葉を吐き出し、小さく唇に笑みを浮かべ、
空海よ。何年、何十年経とうと、人というのは、結局、自分の為したことからは、逃れられぬもののようよなあ・・・」
「−」
「いよいよ、この夢を終わらせようと言うか、白龍よ・・・・」
空海にでもなく、逸勢にでもなく、独り言のように丹翁は言った。
「夢を?」
「遥かな夢よ・・・」

以下ネタバレ
気が付いて見れば、もう3巻目。まだまだ続く楊貴妃の話。ってこの話って楊貴妃をめぐる人々の動きを書いたものなんだな。空海の事をもっと書いて欲しかった。