No.33 STAR MAN 青山円形劇場

★★★★☆
以下ネタばれ
http://www.kakuta.tv/
全然予備知識も無く観に行きました。
CAST
成清正紀
若狭勝
原扶貴子
高山奈央子
松田昌
大枝佳織
横山真二
馬場恒行
桑原裕子

青木岳美
内田健介
小堀友里絵
感想。
一言で言うと、スターマン(一代目、二代目ともに)に感情移入しすぎて、最後には見ていられなくなりそうでした。なぜ、桑原裕子さんは、ここまで、男性の心情が分かったのか?不思議です。
構成的には、数年前と現在を交互に出現させる事により、ミステリーな部分を生かし、若者4人の人間関係で、男女の仲の不可思議さを演出し、ラスト前の悲劇を際立たせ、ラストの切なさを演出する。一見無駄な登場人物も複合的にストーリーに絡んできます。若い男女のシーンも、最後まで見れば必然であることが分かる。
脚本的には、前作より完成度が高いと感じました。
円形劇場の根本的な利点(観客と役者の距離が近い)を有効に使いながら、どうしてこうなってしまったのか?他に選択の余地が無かったのか?その辺りを達者な役者陣を駆使して表現している。
脚本だけでなく、演出家・桑原裕子の実力が垣間見えた作品になっていると思いました。
希望としては、短い時間でもいいから、あの二人がどうして結ばれたのかも、エピソードとして入れて欲しかった。
選ばれた人と選ばれなかった人、結ばれた人と結ばれなかった人。それがあれば、スターマンが持つ、決して選ばれない、結ばれない、報われない愛の形をよりリアルに表現できたのではないか?余計なお世話ですけどね。
常に、思い続ける人にとっては、強烈なインパクトを残す作品になることでしょう。
10/5まで青山円形劇場にて。お時間のある方は、ぜひご覧ください。
役者陣では、原扶貴子さん、高山奈央子さん、桑原裕子さんに注目。
原さんのどうしようもない苦しさ。もどかしさ。ベンジーとスターマンの話は良かった。
高山さんの凛としたかっこ良さとラスト近くの苦しさ。見る度に違う顔が見れる女優さんです。立ち姿がかっこいい。
桑原さんは、相変わらず坪な役を演じてくれる。脚本家、演出家より女優・桑原裕子さんの、ファンです。私は。
男性を中心描きつつ、女優陣が輝いて見えるのは、脚本がいいからでしょう。そういうもの。