No.39 プラスチックレモン ひょてとこひょっとこ乱舞 吉祥寺シアター

★★★★☆
以下ネタばれ
ひょてとこひょっとこ乱舞、初観劇。初めての人用にモニター制度があり、それを使って観ました。最前列。有難うございました。
さて内容。ある日突然人がいなくなる。そして唐突に戻ってくる。いったい彼らはどこへ行き、なぜ唐突に戻ってくるのか?その話しに対して、ある結論を出しますが、それが本筋ではない。と私は思いました。突然どこかへ行ってしまう、その時、その人は?その人の家族は?恋人は?妻は?
これって、死に対する心構え、だよね?映画でも似たテーマがよくあります。この芝居のオリジナルとしては、いつかは戻ってくる(1万年後)点。戻ってきた時には、知ってる人は誰もいない。そもそも人類があるかどうかも分からない。
但し、決して未知のものとしては描いていない。準備期間?として何度か行って帰ってきます。その現象を解明しようとする科学者達もいます。理由は分からないが、最後のジャンプの時期はわかる。時期もわかる。却って分からない方がいいような気がするけど。まぁそうすると話が進まないけどね。
それぞれの別れが、丁寧に描かれています。少しくどいような気がしますが、これがないと意味がないので、じっくりと観てください。その他の部分。舞台装置が素敵でした。世界観が一目で分かる。かなり細かいところまで神経を使っている。あと、舞台の使い方がうまい。吉祥寺シアターって、特徴が無さすぎて、舞台そのものを芝居に取り込みにくいような気がしてたんだけど。この芝居では、うまく使ってました。舞台をギリギリまで大きく取り、舞台裏の部分までも使っているような印象を受けました。舞台以外の部分も用いて、可能な限り空間を大きく使っている。
更に、音楽も良かった。決してでしゃばらず、世界観を維持するのに一役買ってました。
最後にボール。様々な大きさのゴムボールが随所に出てきます。舞台装置にも使われていましたが、効果的でした。
役者陣
・羽化:笠井里美、主役だったんだろう。そういう事が気にならない芝居だったんだけど。印象に残りました。
・挨拶:佐藤みゆき、この人が出演するんで観に行きました。声が攻撃的(誉め言葉ですよ)なんですよね。暗闇で、同時に何人かで叫んでも、彼女の声は聞き取れる。ラストシーンは、彼女にやらせた方がいい。役名からも必然のような気がしましたけど。

中々、良かった。随所に舞う演舞も良かった。普段は苦手なんだけどね。こういう使い方はいいです。
「ひょてとこ」って・・・・・。携帯で書くとこれだから、嫌だよ。