No.37「山笑う」小松台東@三鷹市芸術文化センター星のホール

★★★★☆
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僕たちが好きだった川村紗也(初演)でこの作品を観た時は、自分が作りたいのはこういう作品なんだと、その後色んな人に伝えました。
そして、満を持して小松台東での再演。
初演よりももっとこういう作品が作りたいんだと、言いたい。
初演との違いを書いても仕方がないけど、その違いがこの作品をさらに素敵な作品にしている。
・妹と連れてきた男性の関係が、恋人から恋人を演じてもらっているへ変更
・ラストシーンで妹がお茶を入れた後に泣く(初演では無かったはず)
・偽彼が母の遺骨を実家へ運び今夜は実家で過ごした方がいいと言った後、泣きながら部屋を出る(初演では無かったはず)
・義理の姉が、妹に冷たい態度をとる(初演では、それなりに仲良し)
・劇場の入り口でお線香をたく
・舞台を取っ払って、床の上に舞台(部屋)を作りそれを円形に囲むように客席を作った
初演も再演も素晴らしい出来だと思った。
贋彼の瓜生さん、贋彼を演じながらも、贋彼女への淡い好意を感じさせる雰囲気がよい。
義理の姉の荻野さん、初演と一番演技プランが変わった役。反抗期の息子や浮気している様子の夫と田舎で過ごす女性。都会に住み好きなように生きている義理の妹に対して、なんとなくの嫌悪感がにじみ出ている。でも、最後の方では、細いながらも妹と交流している(イオンへ一緒に行く約束)
それぞれの関係性が会話でのみ提示される。雰囲気が非常に大事な芝居。言葉より、そのしぐさ、いや、醸し出す雰囲気で観ている者に伝わる。そんな芝居。
【作・演出】
松本哲也
【出 演】
川村紗也、瓜生和成(東京タンバリン)山田百次(劇団野の上/青年団リンク ホエイ)荻野友里青年団)尾倉ケント、松本哲也