完読No.42 時の娘 ジョセフィン・テイ 著 ハヤカワ文庫

裏表紙

薔薇戦争の昔、王位を奪うためにいたいけな王子を殺害したとして悪名高いリチャード三世ー彼は本当に残虐非道を尽くした悪人だったのか?退屈な入院生活を送るグラント警部は、ふとしたことから手にした肖像画を見て疑問を抱いた。警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード三世の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベット探偵登場!探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリの名作。

初めて読んだのは20年以上前。発表は1951年。文庫版は1977年。まったく古さを感じさせない作品です。これに刺激されて高木彬光は「成吉思汗の秘密」を書いた。日本人には「成吉思汗の秘密」の方が身近に感じるでしょうが、どちらも優れた歴史ミステリであることは間違いなしです。「時の娘」を読んだ後。直ぐに百科事典を見ました。「リチャード三世は甥殺しで有名」と書かれていた。今ではどうなんだろう?