No.32 アジアの女 新国立劇場 小劇場

★★★★☆
星4つ付けましたが、内容に関しては殆ど語れません。何故なら、前半は殆ど寝ていたから。退屈で寝ていたのではなく、あまりにも眠くて寝てしまった。今考えると勿体無い。
以下ネタバレ
座席が分かりにくい。劇場の真ん中に舞台があるせいで、入り口を間違えると席が分からない。私はB列でしたが、C,D列の方から入ってしまい、グルグル探してしまった。一人でいいのでドア付近に案内人がいて欲しかった。私は会場と同時に入るからいいけど、開演時間ギリギリだとかなり焦る。予想通り、ギリギリに来たカップルが席が分からずウロウロしていた。結局、私の隣の席でした。隣がいないとこっちまで落ち着かなくなる。
で、肝心の芝居の話。
時代設定、場所設定は無し。舞台装置が、バラック然とした家なので、戦争?か何かで壊されたのか?と想像する。話が進むにつれ、震災があったことが分かる。本当は立ち入り禁止地域なので人が住んではいけないのだが、そこから離れられない理由がありすんでいる兄妹。そこへかつての編集担当を頼ってやってきた作家が現れるところから話は始まる。なぜ、その場所を離れられないのか?その作家は何を書いているのか?様々な状況は徐々に明らかになる。状況説明的な台詞が無いので観客はその物語に入り込まないと理解できない。私は肝心なところを寝ていたので今一分からずに後半へ進む。兄(近藤芳正)と作家(岩松了)を食わせる為に妹(富田靖子)はボランティア活動をすることになる。それを取り仕切る女(峯村リエ)はかなり怪しい。ボランティアなのに配給チケットを貰う怪しさ。一体何をしているのか?兄妹の世話をする警官(菅原永二)の一途な思いが悲しい。「彼とはそんなんじゃないから」。何度そう言われたことか(これは私のことね)、途中から完全に感情移入してしまった。地が無くなった時、人間の本性が現れる。
外国人(この芝居の場合、韓国人、中国人)を排斥する動き。それに対抗する動き。対抗する動きに肩入れする妹。そして悲劇は・・・・・。
好きな俳優さんが沢山出ていたのでそれだけで満足。話はどうでも良かったのだが、結構残っている。真面目にもう一度観たい。えんげきのページでは微妙な評価でしたが、私はもっと評価が高くてもいいと思った。個人的には岩松さんが峯村さんを箒で殴打する時の嬉しそうな顔が印象に残りました。