完読No.88 誰もわたしを倒せない 伯方 雪日 著 創元推理文庫


裏表紙

ゴミ捨て場に遺棄された覆面レスラーの死体は、後頭部の髪が無残に切り取られていた。所轄の刑事三瓶と組む格闘技マニアの新人・城島は、不思議な魅力を持つ青年犬飼の鋭い指摘を受けて事件を追うが、犯行を告白するメモを残した男が死体で発見される。二人の男の怪死が描く構図が反転し、驚愕の真相をもたらす「覆面(マスク)」ほか、端正かつ周到な仕掛けを鮮やかに結ぶ、本格推理連作集。

以下ネタバレ
これ文庫化されるまで気がつかなかったけど、傑作です。格闘技(プロレス含む)好きでミステリー好きの人は直ぐに読むべき。前編を通じてのテーマは「最強」。最強への狂気をこんな形で書くなんて、凄い。ミステリーと格闘技は相容れないと思っていたが、それをつなげられるプロレスを接着剤に出来るなんて。あの名作を思い出した。
文庫解説で乾くるみ氏がミステリーとして優れている部分を書いていました。私も対抗してプロレスと格闘技、に関して何か書きたかったが、「演劇」に似ているって視点で書こうとしたら完全に行き詰った。結論が出なかった。例えばプロレスは、芝居に例えると「歌舞伎」じゃあ総合格闘技は?逆説的な論を展開できそうだったのに・・・。
頭悪くてまとまらず。