プロフェッショナル 仕事の流儀

心のままに、荒野を行け 漫画家 浦沢直樹
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070118/index.html
この番組の事は全く知りませんでした。たまたま目にしたテレビガイドに浦沢直樹氏の名前を見つけ、取り敢えず録画しておきました。結果的にはめっけもんでした。浦沢直樹氏に関しては説明が要らないほど有名な漫画家。
以下ネタバレ
彼の作品の中で私が好きなのは「MASTERキートン」、連載最初の話を友達に見せられ、こんな面白い漫画あったのか、と驚いた記憶があります。しかも、その時点では「YAWARA」を書いた人だとは知らなかった。次は連載中の「PLUTO」。他の作品も好きですけどね。それはさて置き。この番組は彼の仕事の進め方を中心にその時々でインタビューを交え彼の仕事のスタイルを浮き立たせる構成を採ってました。ファンとしては作品に関してのマル秘エピソードめいた話も聞きたかったですが、50分と言う短い時間ではあれぐらいが限界でしょう。しかし、あの二人のスタジオでのインタビューはいらんね。意味無いし。普通にドキュメントでいいじゃん。
色々とあったエピソードの中で、気にかかった2点。
一つめ、漫画を書く前のブレインとの話し合い。浦沢直樹氏と言えばこの人と言えるほど、密接な関係を持つ長崎氏。一体どうやって話を作るって行くのか興味深かかった。どちらもストーリーを考えてくるんだそうです。それをそれぞれに話し、まとめる。まとまるんか?長崎氏によると浦沢さんは素直な人なんだそうです。つまり、我を通して衝突したりしないって事かな?いい作品を作る事の前では素直、みたいな言い方をしていたので、より作品を作るためには人の意見も受け入れるって事なんでしょうね。それをわざわざ取り上げるって事は、他の漫画家は違うって事なのかな?
もう一つ。あるシーンで登場人物(たぶんゲジヒト)が、ある決意をして歩いていく。その後姿を書く時の足の運び方で悩んでいた、膝を折り曲げたほうがいいか、足全体を前に持っていった方がいいか。それを悩んでいました。全体で見れば1ページの8分の1ぐらいの一コマ。そこへのこだわり。彼の漫画の人気の一端を見た様な気がした。似たような分野だが、宮崎駿氏も一コマに同じ様なこだわりを持って書いていた。ついつい流して読んでしまうが、大事なんですね、一コマが。
あと、「20世紀少年」をどうするかも悩んでましたね。読者が作者の意図した方向とは違い、謎解きだと思って読んでいる。そして今後の展開を期待している。私もそうですが、「ともだちって誰?」。書いている本人はそんなにその点を重視して無いのかな?この番組を見た今となっては、「ともだち」が誰?って事より、「ケンジ」がどう生きるか、どう闘うかって事がメインテーマだって事が分かる。だって、浦沢直樹氏はボブ・ディランなんだから。