No.15 妻の家族 ラッパ屋    

★★★★☆
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久しぶりのラッパ屋観劇。今まで見た中では一番まとまっていたと思いました。分かり易く、でも深く、しかし重くなく、泣きもあり、そして最後に笑える。大衆演劇的な要素をふんだんに織り込み、かつ家族に持ち上がった問題を現実的にコメディタッチに取り揃える。鈴木聡の脚本がよかった。勿論、この脚本にはラッパ屋の俳優達が必要十分条件であり、彼らもそれに見事に応えている。
以下ネタバレ
資産家の娘であった治子(加藤治子、声だけの出演)、その3人の夫(1人は死別、2人は離婚)とそれぞれの子供たち(2男4女、ふたりずつ父親が違う)。そして娘たちの夫たち。たまには家族全員の顔を見たい母から「母危篤すぐ帰れ 母」と人騒がせなメールが届く。冗談と分かり集まる人や本気にして喪服で来る人や、普段母と長男が住む大きな家は、一気に騒がしくなる。娘たちの心にはある想いが・・・・。その想いに母は、長男は、どうこたえるか。50過ぎまで結婚せず、バスの運転手としてまじめに仕事をする長男。普段は母と家を守っている。
若いストリートミュージシャンに入れあげる長女。顔がプラナリアに似ている次女(弘中さん)、3度目の離婚をした次男(興奮するとエヴァンゲリオンの話で例える)、スピリチュアルにはまり前世(7回人柱)を気にする3女、金縛りが好き(三鴨さん)、イタリアでドン引きの事件に会うも明るく生き、ホストにはまり借金地獄の4女(岩橋さん)。
大家族ならではの様々な出来事。大人版のサザエさんの様。タイトルにもあるように「妻の家族」すなわち、娘の夫達がこの話のキーワードです。脳学者、骨董屋、小学校教諭。結果的に血のつながった者達の結論に異を唱えたのは夫達。都合よく話が進みすぎる点もあるが、次から次へと出てくる話に笑い転げながら、家族ってなんだろう。結婚したら相手の家族も家族なんだ、これだけ人がいればそりゃ何かあるだろう、家って大事だなぁ〜etc.様々な事を同時多発的に考えました。舞台挨拶の後のカーテンコールが鳴り止まず。普段はカーテンコールを2回しない劇団なのであたふたしてました。観客もこういう話が好きなんだな。ホームコメディ。最近あまりないもんね。
たまたま家族の話(五反田団、ラッパ屋)が続いた。二人の作家が全く違う手法で家族を描いた。その違いは年齢によるものか。根本では変わらない事を言っているんだけど、演じると全く違う。面白いものです。
三鴨さんは相変わらずのダイナマイトボディーでした。後ろから2列目という最悪の席にも係わらず、満足できた。
テレビで放送しないかしらね。
追記
庭の池に落ちるシーンが多々。特別な意味を持たせているのかな?分からなかったけど。単にネタ?