★★★★☆
以下ネタばれ
http://www.metanou.com/
Scenario & direction
葛木英
Cast
嶋村太一（親族代表）、古市海見子、酒井杏菜、伊藤一将、福田高徳、原田紀行（reset-N）
Story
『冷蔵庫でしか生きられない男の不思議な愛の物語。』
あるところに、
冷蔵庫の中に住む男がおりました。
一部屋分ほどもある
大きな大きな冷蔵庫です。
娘はたずねました。
「ねぇ、パパはどうして冷蔵庫に住んでいるの？」
男は答えました。
「パパはアイスクリームなんだよ。だからここにいないと溶けちゃうんだ」
数年後、
娘は同じことをたずねました…
友達が出ているので観に行きました。実際には、旗揚げから観ているので、その友達が出ていない時も観てます。
今回は、私の父親のかつての部下が脱サラ（やめたのはだいぶ前だけど）して出演している。これも縁なんだろう。
話は、葛木さんらしい、ファンタジックな世界観。冷蔵庫に住んでいる男性。それが父親だという少女。少女の母と知り合いの男性。少女の夏休みの宿題。家族の事を書く。父親がいない少女は、喪失感を感じ・・・・・。
男性の思い出ばなしから、父と母の温かい愛の話が始まる。
誰よりも寒いところでしか生きられない、でも誰よりもぬくもりを求めている男性（少女の父親）。
ファンタジーの要素を残しつつ、差別や病気や孤独を織り交ぜる脚本力は一歩進歩した印象。
役者陣もいい。
いつもニコニコ嶋村さん。絶望的な運命に身を任せ生きる男。終演後、いつもの笑顔を見れてほっとした。
いつもギョロギョロ古市さん。相手を思いやって嘘をつく女性。目立つ容姿に目がいきがちだが、しっかり成長してます。演技に余裕があった。
いつも可愛い酒井さん。11歳の少女を演じても全く違和感が無い。個人的にはもう少し出番を！！
いつもひょうひょう伊藤さん。物語の語り部役。全てを無駄にしても男をかくまう。彼の持つ、じんわりとした優しさが、舞台上を照らしていた。
カッコいいです原田さん。幼少期のショックな出来事のため、人を信じられない男性。その容貌とあいまって、クールなイケメンを好演。冷たいけど、本当は優しい。女性はイチコロだな。
初日に観ました。初日ゆえの舞台上のトラブルも、大事には至らず。演出のための劇場内の空調（冷蔵庫のように寒い）も、一枚余分に上着を持ってくれば大丈夫。一応、「寒い」と言っておきました。
ラストの１シーンは、いや一こまは要らないんじゃない？好みの問題かな？この物語には優しいハッピーエンドが似合うと思った。例えば、母親が子供の腕を愛しい感じでなでて終わるとか。
