完読No.31 砂の城の殺人 谷原 秋桜子 著 創元推理文庫


裏表紙

行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。冬休み目前、今度は廃墟専門カメラマンの撮影助手を務めることになった。しかし、向かった先でミイラ化した死体を発見!しかもそれが、長年行方が知れなかった雇い主の母親だというから・・・・。この発見を契機に、崩れ落ちそうなその廃墟で、次々と人が死んでいく。著者渾身のシリーズ第三弾。新作書き下ろし長編。

以下ネタバレ
前作2作は、子供向けに書かれた青春ミステリーでした。それにもかかわらず、本格ミステリーファンも満足できるできばえでした。但し、やはり読者が付いてこれず?暫く休筆していたようです。旧作が復刊されるのを機にシリーズ第三弾を書き下ろし。読者層が普通になったのでこの作品が面白くない訳が無い。探偵役が今はやりのツンデレなのは作者の慧眼か?この作品で一区切りがついた。でも、シリーズ物としての魅力は十二分にあるので、書き続けて欲しい。アルバイター美波じゃなくてもいい。美波の友達二人と母親、隣人、猫、犬、熊がいれば書けるでしょう。