完読No.39 奇術師の密室 R・マシスン 著 扶桑社海外文庫

往年の名奇術師も、脱出マジックに失敗し、いまは身動きできずに、小道具満載の部屋の車椅子のうえ。屋敷に住むのは、2代目として活躍する息子と、その野心的な妻、そして妻の弟。ある日、腹にいち物秘めたマネージャーが訪ねてきたとき、ショッキングな密室劇の幕が開く!老奇術師の眼のまえで展開する、奇妙にして華麗、空前絶後のだまし合い。息も継がせぬどんでん返しの連続。さて、その結末やいかにー鬼才マシスンが贈る、ミステリーの楽しさあふれる殺人悲喜劇。

以下ネタバレ
一読して、これは舞台になる。と思った。と言うより、そのまま舞台の脚本として使える。書き手が植物人間状態の老奇術師という点をうまく表現できたら、結構いい舞台が出来ると思う。奇術は世界共通言語なので主人公を日本人に変えても問題は無い。話の中で使われるトリックもそれほど難しいものではないと思うし、登場人物も少ないので良質のミステリーになると思う。誰か、舞台化してくれ。
R・マシスンは「激突(スピルバーグ監督)」の原作・脚本家。